亜麻の恩返し(6) ページ7
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「おいー、知らなかったって。誰が知ってんの?」
「いやー、同期とサラちゃん明那とまゆー、あと運営、マネは知ってるかにゃあ。あ、それこそズハのマネも知ってるよ。」
「うわ、だからか。いつも俺に口酸っぱく言ってくるくせに今日なんか軽かったんだよな、正体明かしても大丈夫ですよみたいな雰囲気出してきてたわ確かに」
絶対俺の反応見て楽しんでたじゃんクソ、と悔しそうにしている葛葉。
「てかAちゃんはなんで店で会った時からズハだって気づかなかったん(笑)」
いつも一緒に切り抜き見てるやん、と不破が笑う。
「だってさー、実際に会うと思わないじゃん。ましてやお客様だったなんて・・・」
「俺にどんなイメージ抱いてたんすか(笑)」
正直、Aは切り抜きや配信、不破と話している姿からは、買い物に行く、店に来てくれるという姿は微塵も想像できなかったのだ。
「でもたしかになんでズハ花とか買いに行ったん、キャラじゃなくね?」
「うーん、なんだったっけな」
葛葉さんは腕を組んで近い過去を思い返している。
「あ、思い出したわ。叶のこと待ってたとき、いい匂いするから入ってみたんだ。何も買わないのももったいねえから何かしら買ってアイツにあげた」
「わー、うれしい(笑)」
Aは葛葉の店に入った理由を素直に、純粋に喜んでいた。
「Aちゃんの店、世界一の花屋だからなあ」
「惚気ないでもらっていいすか?」
このような他愛のない話をしているうちに、葛葉がマネージャーから連絡が来て帰ることとなった。
「勘違いしてすんませんでした」
「いや全然大丈夫です。送っていただいてありがとうございました、助かりました」
「あ、ズハにAちゃんの連絡先送っとくよ、またなんかあったら困るし」
「お〜け〜」
「変な連絡すんなよマジで」
「しねぇわ(笑)」
「待って!これ持ってってください!」
葛葉の手には小さな青色が咲いていた。
亜麻;あなたの親切に感謝します
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作者名:せりな | 作成日時:2024年2月3日 20時