亜麻の恩返し(4) ページ5
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「秘密なんスけど俺、配信者やってるんすよねぇ・・・」
え、なんて反応を声ではなく、顔で見せるA。
『え、もしかしてズハさん・・・?』
「え?知ってるんスか、しかもあだ名で(笑)」
『うーん、いや、知り合いが貴方のことをズハと呼んでいたので声で分かりました』
「あ、俺のリスナーってわけじゃないのか」
『え、いや!帰ったらすぐ見ますよ!』
そんな話をしながら、Aは道案内をして自分の家に着く。
『ありがとうございました、本当に助かりました』
「いや待って、ここ俺の知り合いの家だと思うんスけど・・・号室も同じだし。ウーン、勘違いかな」
ズハさんは彼の知り合いだし、素直に言えばいいだけなのに・・・と、Aはすごく焦ってしまう。
すると、ズハさんの携帯電話からprrrと音がする。
「お、今何してる?おー、配信中か、マジメンゴ。いや、荷物沢山だった女の人送ってんだけどさ、お前の家を自分の家だっていうから。あ、家入っていいの?サンキュー」
『え、中入るんですか?』
「困る?やっぱストーカーなんスか?」
『違います!あーもう、いいですけど静かにしてくださいね』
扉を開けてAはズハと呼ばれる男性に『しー』と、口の前に人差し指をあて、眉間にしわを寄せた。
『座ってていいですよ』
「ウス」
そう言い、飲み物を準備をしながら、『ただいま!』と猫と遊ぶAを見て静かに笑っていた。
「(別にストーカーだとは思ってなかったけど、表情変化しすぎだろーが)」
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作者名:せりな | 作成日時:2024年2月3日 20時