亜麻の恩返し（2） ページ3
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家を離れて少し歩く。
家から夜遅くまで営業しているショッピングモールまでの距離は1時間くらいかかるくらいだ。
1時間もかけて此処に来るのには理由がある。
それは、Aが不破に生け花を披露して驚かせるため、練習していることを秘密にしているからだ。
そして目当ての花瓶や陶器がそこにしか売っていないため、そこを目指している。
Aが働いているお店では扱わない種類の花瓶や陶器を買っているのがバレてしまうと、その計画は台無しになってしまう。
まぁ秘密にしなくてもなんとなく気づかれない気もしなくはないが。
不破が配信を行っている時間に買い物が多くなってきているのはその理由からだ。
21時になり、外が真っ暗な頃、Aはお目当てのお店に着いた。が、
『これかわいい！』『これも素敵・・・』
で、Aはたくさんの商品を買ってしまったのだ。
そのため、確実に荷物は多くなってしまう。
『おんも・・・、やっぱり昼に湊くんと車で来ればよかったかなぁ』
そう呟いてショッピングモール出口に向かうA。
『あっ！？』
自分のロングスカートにひっかかってしまい、ふくろと共に床を見る。
要するに転んでしまった・・・はずなのだ。
しかし、体は床と接触していないし、後ろに引っ張られる感覚もある。
「、大丈夫スカ」
白い髪に赤い瞳、顔の位置が高く、見上げてしまう体制になる。
『ありがとうございます・・・って、お客様！？』
「あ、え？えぇっとー、花屋の店員さんスカ・・・」
『そうです！つい最近いらしていただきましたよね？』
「えー、よく覚えてるんスね、(笑)」
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作者名：せりな | 作成日時：2024年2月3日 20時
