天然悲劇のヒロインなんて・・・5【稲荷崎】

女は怖い ページ14

一応仕事には来た
お昼からだけど夕張さんは朝かららしくて既にそこに居た。




夕張｢あ！Aちゃんっ、頑張ろうねっ！｣



いつ私は貴方に名前呼びを許したのだろうか
名前で呼ばないでよ




『うん、頑張ろうね』



愛想笑いで返事を返す
仕事着に着替えたら接客に向かう
勿論フロアからは夕張さんの甲高い声がキャーキャー聞こえてくる。



『いらっしゃいませ〜』


侑｢あ、Aや今日も仕事なん？｣


『ゲッ、宮侑...そうだけどて言うか他の3人は？』


侑｢いつも一緒みたいやん、たまには一人で来る時もあるで｣


『つまりはぼっちと』



ぼっち1名来店でーす。
と言おうとしたけど怒られそうだから辞めた
席に案内しようとしたら...








.







｢キャァ!侑君!今日も来てくれたん??姫華嬉しいっ｣







.







ドーンと私を突き飛ばして宮侑にベッタリとこべり着いた夕張さん。
あ、コイツもそう言う部類の人間なんやね
宮侑に限っては【悲劇】みたいな顔してるし




夕張｢Aちゃん！ここは姫華に任せて！他をお願いっ！｣



『う、うんそれじゃあ、頼んだ』



宮侑が｢助けろや｣という目で私を見ていたなんて知らない。私は知らんぞ。









.





夕張｢ねーねーAちゃん！｣




休憩中に突然夕張さんから、話しかけられた




夕張｢侑君とはどんな関係なの？｣


『えーと、高校からの友達だよ？』


夕張｢へー、彼氏とかじゃないんだ｣


『うん』




アイツが彼氏？
ないない、私は北先輩一筋だから





夕張｢じゃあ、邪魔なんてしないでよね｣


『え？』



夕張｢私は男の子から、侑君からチヤホヤされたいの。だから邪魔なんてしないでね｣



ニコって笑ってどっかに行ってしまった
あの子の瓶の中はキラキラじゃなくてドロドロ。
汚くて醜い何かが溢れてる。
好きな人のためだったら何だってやる。
女ってホント怖いわ

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