天然悲劇のヒロインなんて・・・4【稲荷崎】

予定 ページ16

12月半ば、もうすぐ終業式を迎える私達。
部活の活動時間も夜遅くになるからと夏に比べてすごく減った。どうせ帰る頃は真っ暗だけど。


外に出ると寒い冬の風が私の体を一気に凍らせる。


(カーディガン持ってくればよかった)


芯まで凍った体は制服だけでは暖まらない
朝どうしてカーディガンを玄関先に置いてきたのか、私は自分を自分で叱りたくなる。



｢すごく寒そうにしてるやん、風邪ひくで？｣

『あ、北先輩.......寒いっすよね』



暗い夜道で北先輩の声が後ろから聞こえる
振り向けばあったかそーなマフラーを巻いた北先輩。
北先輩の服装と私の服装の温度差よ



北｢マフラー家まで貸すで｣


『いや、遠慮しといますよ』



私が北先輩のマフラー着たら先輩が風邪ひいちゃうし
そんだったら


北｢自分が風邪ひいた方が良いって？馬鹿やないの、Aが風邪引いたら吹奏楽部のみんなに迷惑かけるやろ、ダメやないかい｣



言い返せない.......



北｢それに、風邪引いたら俺も心配するんや、だから風邪引かないように着てくれ｣


『正論パンチ過ぎて言い返せないです、それとご心配ありがとうございます。チョット嬉しいです』



北先輩の正論パンチに何も言い返せず私はマフラーを巻く。うん、北先輩がさっきまで着けてたし暖かい。



北｢そういや、もう12月やな｣


『そうですね〜それも半ばで終業式もうそろそろですね』


北｢おん、それでなんやけど.......クリスマスにどこか行かへん？｣




クリスマス、そうそれはカップルがいちゃつく為に用意されたイベント.......
去年は非リアで、リア充なんてクソ喰らえ、って思ってたけど今年は私も仲間入り。
嬉しい、嬉しいけど





『ごめんなさい、その日コンサートが.......』




その日に限って、吹奏楽部のコンサートが有る。
まじ今年は、コンサートの存在を恨むわ
なんでこのタイミングなん？



北｢そうなんや、じゃあ聞きに行ってええ？｣


！！！


『勿論、来てください！』



クリスマス、イチャつくカレカノみたいな事は出来ないけど、好きな人に演奏聞いて貰えるそれが凄く嬉しかった。

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