天然悲劇のヒロインなんて・・・4【稲荷崎】

和歌 ページ12

ある日の古典の授業のこと.......




先生｢古典の宿題で百人一首の意味調べをしてきてください｣



｢｢｢｢えーーー｣｣｣｣




なんでこの時期に百人一首。
て言うかなんで百首？
マジで先生恨むわ



侑｢百首なんて無理やー｣


『それな〜』



百人一首に興味なんて無いし
そもそも昔の歌って何なの？
私にはわからない



｢じゃーね｣


『うん、また今度.......』




帰り道私は百人一首の事で頭がいっぱいだった


｢A？｣


『あ、北先輩.......たずげで』


北｢ん？どしたん？｣



私は帰り道にたまたま会った北先輩に百人一首の紙を見せる。そこにはドバーっと百首書かれた紙がある。



北｢百人一首、俺もやったな｣


『えー、教えてくださいよ！』


北｢もう覚えとらんわ｣



まじか、頼れる宛が1つ消えた。



北｢家ついたで｣


『あ、ありがとうございました！ほなまた！』


北｢おん、また｣



もうちょっと一緒にいたかったな
百人一首と睨めっこしてたから全然喋っとらんし
また会えるって分かっててもお別れは嫌や.......




『えーと、秋の田の.......』


一つ一つスマホで調べながら紙に書いていく。
百人一首って未練タラタラな歌とか
恋愛が多いんやな.......



普｢なに、急にお経唱えてるの？｣


『ちゃうわボケ、意味調べだよ意味調べ。ほんとさ百人一首ってなんで百首もあるん？て言うか｢なにわえの｣とかさ｢なにわがた｣一緒だろあれ』



少し文字が違うだけで一緒の意味やん。
他にも、｢朝ぼらけ｣とか｢わたの原｣もそう全くおんなじなのに.......



普｢同じやない｣


『え？そなの？』


普｢百人一首は年代順に番号振られてるんだけど｢なにわが｣19、｢なにわえ｣88時代にして大体200の間があるんや｣


え、なんか語りだした.......
て言うか百人一首ってそんな歴史あるん？



普｢そりゃ、作者も両方とも女やし詠まれた情景も似とる。200年の壁が会っても人の心は変わらんってすごい感動的やけど.......｣



まって、なんか歯止めが効かない
ていうか、なんかイキイキしてる？



普｢｢なにわが｣は10世紀頃詠まれた冬の枯れた芦のくすんだ緑。｢なにわえ｣は12世紀頃詠まれたもっと若い芦の緑。88の方の難波の入江は当時遊女が多かったとも言われてるからもっと艶っぽい意味の中の.......｣


『お、お兄ちゃん？』


普｢？なんや？｣


『百人一首好きなの？』


普｢.......別にもうやってないし好きじゃ｣


(文字数...)

好きじゃない→←コンサート

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す