天然悲劇のヒロインなんて・・・1【稲荷崎】

適当な答案用紙 ページ10

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｢テスト返すぞ〜｣


6時間目

疲れて眠たい時間帯。

先日行われた期末テストの答案用紙が配られていく。

周りからは｢うっそん｣とか｢頑張ったのに……｣とか

散々な結果が耳に入ってくる。


まあ私には関係ないけど。



｢那由多〜

お前ちゃんとやれば出来るんだった日頃から.......｣

『センセー一生懸命私は既に一生懸命です〜』


答案用紙を貰ったのと同時に

センセーにそんなことを言われた。


一生懸命なんて大嘘やけどね。


性格がひん曲がってる私にとって

一生懸命は嫌いな部類に入る。

全部を全部一生懸命になんて私には無理だ。



この答案用紙だってそう。

親に怒られない程度に適当に書いた。


平均よりちょっと上な私の答案用紙は

褒められる事も怒られることも無い。


『.......適当で何が悪い』


誰にも聞こえないような声で小さく呟く。


適当でも出来ればいいじゃん。

一生懸命やったって適当にやったって

結局結果は変わらなかったんだから。


教室でキャーキャー言ってる立川の方を見ると


立川｢やったぁ！赤点回避や！ツムツム〜｣

侑｢おん、頑張ったなぁ｣

立川｢うん！頑張ってよかった！｣



...................キモ。



なんだあれ、何がやったー！(裏声)だ。

周りの女子見てみドン引きや......

そこまでそんなこと無かったけど.......


｢Aテストどうだったん？｣

『ん、これ』

｢なんでアンタは平気でそうやって平均より上とるんや、何時も最終時刻まで楽器弾いてんのに｣

『テキトーにやればここまで出来んよ』



ずるいなぁ〜言うてるけどアンタも

男遊びとか辞めればいいと思う。

そうすればもうちょいい点数取れると思うんだけど。


そんな気持ちは心の奥底に隠し

ファイルに答案用紙をしまった。




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