天然悲劇のヒロインなんて・・・1【稲荷崎】

案外良い奴説 ページ14

田中さんと別れて私は飲み物を買いに自販機に来た。


｢案外アンタ良い奴なんやな｣


突然後ろから声が聞こえた。
振り向けばそこに居たのは宮侑と立川だった。
なんやアイツら2人付き合ってんの？


『付き合ってんの？』

立川｢そんな事ないよ！ツムツムは飲み物買いに行くの手伝ってくれただけだよ〜。私が好かれてるなんて！｣


ツムツム.......デデニーのあれかあのゲームの奴か。
そして飲み物からいひとりで買えるよね？
え、はじめてのおつかいじゃなくて初めての自販機も無理なの？


途中からなにいってんのか分からなくなってきた。
ていうか隣にいるデデニーツムツムもツムツムで可哀想やなこんな女に振り回されて。


『うんその天然キャラほんまにやめよう、気持ち悪すぎて吐いちゃうわ』


立川｢て、ん、ね、ん？って何ツムツム？｣


侑｢愛みたいに自然と可愛い事するやつの事言うんや｣


立川｢私？可愛くないよ全然！｣



首をオーバーリアクションレベルで振る立川。
キモイ、なんで気付かへんのや？？？？



立川｢Aちゃん可愛いよね！前からちゃんと話したかったんだ！｣


ギュッ！



(は？)



現状を整理しよう立川にハグされてる。
え？ん？え？



『触んな！』


立川｢え、？｣


『穢れる！触んなゴミ！近づくな！』



体が拒絶反応起こし過ぎててやばい。
全身に鳥肌が立つ。


侑｢なんやお前！やっぱ良い奴やない！｣


立川｢ﾋｯｸﾞ私はただAちゃんと仲良く｣

『嘘や！あんたなんかと仲良くなるなんてごめんや、この泥棒猫！』



ここまで言って怒ったのかとっとと帰るお2人。
なんやアイツほんまにムカつく。
最近納まってたイラつきはまた溜まっていく。


自分の中の瓶から溢れ出すかのようにドロドロした何が湧いてくる。
ドロドロしすぎて気持ち悪い


喉を潤すように水を飲む。
それなのに涙が止まらない、それは多分きっとこの味が元彼とよく一緒に飲んでた飲み物と同じだからだろう。


ホンマに愛しとったのに、人間関係所詮そんなもんや

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