天然悲劇のヒロインなんて・・・1【稲荷崎】

これでええんや ページ11

·


昼休み私は購買でパンを買って来て

教室でご飯を食べてた。


｢那由多さん居ますか？｣


突然自分の名前を呼ばれてビックリする。

教室の人も私の方を見た。

扉の方を向けば吹奏楽部の部長の菊地先輩がおった。


菊地先輩はトランペットのパートリーダーで

部内では結構ハキハキしてる方。

そんな先輩が私になんの用？


周りの目を気にしないで私の机に近づいてくる

急に辞めたからの文句？

それとも何コンクールのソロパート、

私が辞めたから弾けるっていう自慢？


そんなん聞いても負け犬の遠吠えにしか聞こえんよ。


菊地｢ねぇ、Aちゃん｣

『なんですか？』

菊地｢もう一度私達と一緒に全国行かへん？｣

『え、』


先輩から聞こえた言葉は罵りでも

文句でもなくもう一度一緒にのお誘いだった。

嬉しい、純粋に嬉しい。


だけど私は


『お断りします』


ハッキリとした声でキッパリお断りした。


菊地｢なんでや!!

Aちゃんのトランペット上手やないか！

なんやソロを先輩退けて私がやるっていう罪悪感？

そんなもん別に…『別にそんなの感じてません』｣



『別にそんな罪悪感なんてありません。

私がやめた理由知らないんですか？

そっちが壁を使ってきたんじゃないですか。

私があのグループにいるからって

勝手に苦手意識つくって

それなのに今更戻れなんて私は嫌です！』


先輩は別に悪くない壁作ってたんは私もや。

お互い様なのに、先輩は一緒にやろうってこんな時期に迷惑でしかない筈なのに。


菊地｢そっか、いつでも待っとるで.......｣



そういい先輩は静かに教室を出ていった。

残された私はクラスからの注目の目を浴びてる。


銀島｢よかったんか？｣

『別に今更.......』


突然話したことも無い

隣の席の銀島結に話しかけられたけど

今の私は猫被りを忘れ本音を言ってしまった。



今更戻るなんて都合がよすぎる。

きっとこれが正解なんや、これでええんや。

私が戻ったら皆を壊してしまう。



銀島｢じゃあなんでそんな悲しそうな顔すんや。

それ嘘やろ？戻りたいって思っとるんやないの？｣


なんで嘘ってバレたんかはよくわかんない

心の中を覗かれてる気がする。





『別に銀島君には関係ないよ。

あーホンマに調子狂うちょっと外出てくるね。

喋りかけてくれたの嬉しかったで。』


でも、こっちはホント。





______________________________


銀島君って全てが尊いですよね((


·

終業式→←適当な答案用紙

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す