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「ウッう〜ん…またあの夢か…こんな所に刀があるわけね〜。」
そう言い僕はベッドからおり、朝の身支度をした。
今日は僕らの後輩の入学式。オクタヴィネル寮の名に恥じないように身だしなみはしっかりしなくてはいけない。
コンコン
ちょうど着替え終わった時にドアが子気味よくノックされた。
返事を返し、ドアを開けると式典服を身にまとったオクタヴィネル寮寮長アズール・アーシェングロットが立っていた。
「おはようございますA。準備はできましたか?」
「おはようアズール。あとは髪を整えるだけ。」
「…貴方、ちゃんとヘアセットできるんですか?」
アズールが呆れた様子で尋ねてきた。
僕は他人のヘアセットはできるのだが、何故か自分のヘアセットは出来なかった。
僕が小さく頷くとアズールは僕に椅子に座るよう促し、ポケットからコームを取り出し僕の髪を撫でた。
「全くA、貴方は本当に自分の身の回りの事はてんでダメですね。せっかくの綺麗で長い髪が台無しですよ。」
アズールにそう言われ、僕は改めて鏡を見た。
とても白に近い桃色の髪、少し紫が混ざった赤色の瞳の女にも見える顔が映っている。
当たり前だが、それは僕の容姿だ。
「ウッし、しょうがないだろ。だって見えないんだよ。」
僕が反論すると、なんの為の鏡なんだと、また呆れられた。
すると、勢いよくドアが開けられた。
バン!
「あ〜いた〜アズール、A、ジェイドが呼んでるよ〜。」
音の正体は準備万端の幼馴染のフロイド・リーチだった。
「そうですか、分かりましたがドアはノックしてから、静かに開けなさい。」
「ねぇねぇA、今日は三つ編みしないの〜?」
フロイドはアズールのお小言をスルーして、僕に話しかけてきた。
アズールをちらりと見ると、何かを言いたげにフロイドを見ていた。
「まぁね、今日は式典だし、フード被ったら崩れるから。」
僕とフロイドがそんな話をしている間にアズールがヘアセットを終えた。
「はい、終わりましたよ。ジェイドの所へ行きましょう。」
「はーい、ありがとうアズール。」
もう一度鏡を見ると、自分でやるよりとても綺麗に整った僕の髪が映っていた。
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冬華(プロフ) - ありがとうございます!夢主君のユニーク魔法は近いうちにはっきりと出す予定です! (2021年6月6日 10時) (レス) id: cadeb79dd5 (このIDを非表示/違反報告)
り - 夢主くんのユニーク魔法ってなんですか?とてもおもしろいです、応援してます! (2021年6月3日 23時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬華 x他1人 | 作成日時:2021年1月1日 11時