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かえりみち。 ページ44

『ねーとしみつ』



と「ん?」



甘ったるい声で俺の名前を呼ぶ。



『これみて、真っ白』



Aは俺に見えるようにはー、と息を吐いた。
時間も時間だしだいぶ冷え込んでいたから、吐いた息は白く染った。



『めっちゃ寒いね』



手をすりすり擦って暖めていた。



と「ばか寒い」




俺はポケットに手を突っ込んだままだった。



2人で歩いていたら鼻に冷たい感覚がした。
雪だ。
確か天気予報でここら辺も少しだけど降るとかなんとか。



と「雪降ってる」



『うおー、ほんとだ!』



雪を見て無邪気に喜ぶA。
毎年変わらない。




『.....へっくしゅん』



小さくくしゃみをした。
そのあとAの小さな肩が震えていた。



と「ん、手出して」



俺はポケットから左手を出してAの方に向けた。



『え?』




Aは間抜けな声を出した。




と「お前手袋してないやん、今震えとったし寒いら。
だから手出してみ」



『う、うん』



Aは俺に右手を出した。



俺はその小さな手をぎゅっと握った。



と「お前手冷た」



『その分心は暖かいからさ』



と「あっそ」



『としみつは心冷たいよね、私と違って』



と「は、うっざ」



『ふふっ』



小さく笑うA。

それを見て俺もつられて笑った。

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Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - あすなろみたいでキュンキュンしちゃいました!!! (2020年1月25日 13時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おちゃづけ。 | 作成日時:2020年1月8日 0時

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