FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ45)

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「もう全部終わったのよ。誰の所為とかそう言う話だって初めから無いの。戦闘に参加しなかったラクサスにもお咎めなし。マスターはそう言ってるのよ」
「そりゃそうだろ。オレには関係ねえ事だ。ま……オレが居たら、こんな不様な真似には遭わなかったがな」
「ラクサス、てめえ！！！」

一番言ってはいけないような言葉に、一気に顔が強ばる面々。案の定、動く人も居て。その中でも真っ先に動いたのはナツだった。── けど、ラクサスは一瞬にして消え、次の瞬間にはナツの背後を取っていた。

「ラクサス！！！オレと勝負しろォ！！この白状モンがァ！！」
「あはははっ、オレを捕えられない奴が何の勝負になる。── オイ、アクア」
「！」
「彼奴、何処行きやがった」
「た、多分、ポーリュシカさんとこの森」

ナツの言葉に高笑いしたかと思えば、急に視線を向けられて思わず傍に置いていたコップにぶつかりながら立ち上がる。コップを倒してしまった事や、彼奴という言葉に一瞬、誰だとパニックになりながらも私に聞くということはAの事しかないと声が震えながらも答えを返す。

「チッ、彼奴も怪我人かよ」
「その言い方ねェだろ！Aはオレ達を守る為に……！」
「あ？それで自分が倒れてちゃァ、世話ねえだろ」

ポーリュシカさんの所に行くという事は後回しにしていた自分の怪我や魔力回復の為だということ。見てない筈なのに何で知ってるんだろうとか、皆の前でそれを言う必要ないのにとか色々思う事は有るのに口には出せなくて。

「── 大体、テメーらがいつまでもそんな意識で居るから、彼奴はいつまで経っても本当の姿を見せねえんだろうが」
「ッ……どういう意味だよ、それ」
「ハッ、何一つ知らねえくせに」
「 ── ラクサス！！」

でも…流石にこれ以上、口を開かせては駄目だとすっと息を吸って、精一杯の声を出す。それは思いの外、この場に響いたようで。

「オレがギルドを継いだら、弱ェモンは全て削除する！！！そして歯向かうやつもだ！！最強のギルドを作る！！誰にも舐められねえ史上最強のギルドだっ！！！」

興が冷めたと言わんばかりに、そう言い残して去って行ったラクサスに身体から力が抜けて座り込む。

「あ！…ご、ごめんね、ミラちゃん…！ジュース零しちゃった……」
「ううん、そんな事は良いのよ。気にしないで。…それより、大丈夫？」
「う、うん…大丈夫」

そう言えばコップを倒してジュースを零したことを思い出せば、慌てて立ち上がってミラちゃんの方を見る。言うまでもなく、既に拭き取っていてくれたらしかった。

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