FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ41)

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「この戦争はその下らん妬みが引き起こしたというのか？」
「妬み？違うなぁ。我々はものの優劣をハッキリさせたいだけなのだよ」

ジョゼの攻撃が止まった一瞬の隙に地面を蹴って攻撃へと転じる。今度は避けられるばかりで当たらないのが現状。それはエルザも同じで。

「そんな…そんな下らん理由で！！！」

そしてジョゼの言葉に、叫んだエルザを捕らえた禍々しいまでの魔力。攻撃を加えようとしたものの、蹴り出そうとした足に痛みが走る。

「前から気にくわんギルドだったが、戦争の引き金は些細な事だった。＂ハートフィリア財閥のお嬢様を連れ戻してくれ＂という依頼さ」
「う…く…！」
「この国有数の資産家の娘が妖精の尻尾に居るだと！！？貴様等はどこまで大きくなれば気が済むんだ！！ハートフィリアの金を貴様等が自由に使えたとしたら…間違いなく、我々よりも強大な力を手に入れる！！！それだけは許しておけんのだァ！！！」

( 動け…！ ) 魔力消費の少ない槍を取り出しては、半ばそれで身体を支えるように立つ。こんな奴を前にして膝を着くなんて、負けるなんて私のプライドが許さない。

「どっちが上だ下だなんてどうでも良い。…寧ろ、気にして騒いでる事自体が嘆かわしい。……それに、貴方達の情報収集力の無さにも呆れる」
「何だと…？」
「嗚呼、Aの言う通りだ。ルーシィは…家出して来たんだ…。家の金など使えるものか……家賃7万の家に住み、私達と同じように…仕事をして…共に戦い…共に笑い…共に泣く…同じギルドの魔導士だ」
「戦争の引き金？ハートフィリア家の娘？花が咲く場所を選べないように、子だって親を選べない…！」
「貴様に涙を流すルーシィの何が分かる！！！」

彼女と直接話した事はないけれど、皆の話やガルナ島の一件で優しい子であることは良く分かっている。知りもしないくせに好き勝手言ってくれるジョゼに身体に残っているありったけの魔力を集める。

「これから知っていくさ。ただで父親に引き渡すと思うか？金が無くなるまで飼い続けてやる。ハートフィリアの財産全ては私の手に入るのだ」
「…ふざけないで…ッ！！」

掻き集めた魔力でもジョゼを倒す事は叶わないかもしれない。けど、エルザを拘束する魔法くらいはどうにか出来るはずだとぶつければ、案の定…解けた拘束。そして彼女を庇うように槍を構えた。

「クソガキィィィ！！！！」
「 ── A、避けろ！！！」

目の前にまで迫ったジョゼの禍々しい魔法。エルザの悲痛な声が耳に届いたものの、直ぐに行動出来る程の力は残っていなかった。

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