FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ38)

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「ギヒッ、テメェがAか」

エルザが厄介だと言っていた〝鉄竜(くろがね)のガジル〟は立っていられるようで、好戦的な笑みを浮かべた。そして彼の口から出た名前に、彼女があたしの思っていた人で間違いないんだと認識した。( この人がエルザと並ぶ、S級魔導士…！ )

「滅多に表に出て来ねー奴とやれるたァ、光栄だなァ！！ ── 鉄竜棍！！」

ナツと同じ滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)らしいガジルは自分の身体を鉄へと変化させる事で攻撃するようで、鉄の棍棒へと変化した腕がAさんに襲い掛かった。

「！速い…」

それを交わしたかと思えば、ガジルの懐に飛び込んで、容赦なく顔に拳を喰らわせる。流石のスピードに追い付けなかったのか、壁へと打ち付けられた。

「うん、Aのスピードは妖精の尻尾でもトップクラスだよ」
「！アクア」
「うんしょっと、大丈夫？ルーシィ。あ、これ、飲んで」
「う、うん。何とか。…この液体は？」
「回復薬！Aの事を贔屓にしてくれてる女性が居るんだけど…その人の追加報酬で貰ったんだって」

Aさんが着ていたと思わしき外套を若干、引き摺りながらやって来たアクア。そして手渡された透明なビンに入った青くて綺麗な液体。

飲んで飲んでと急かされれば、少し硬い蓋を引っ張って、それを飲むと身体にスーッと染み渡って行く気がした。( あ、ちょっとだけ痛みが引いた気がする )

「なんと言うか、凄いとしか言えない…」

ガジルが身体を鉄に変えて攻撃を仕掛けて来るのに対して、Aさんは複数の属性を操りながら攻撃を仕掛けて行く。激しい応酬に目が追い付かないでいるのが事実だった。

「……ッ！」

お互いに技を食らい、離れて地面に足を着けた時、Aさんの背に有った翼が消えたかと思えば、髪の色も黒髪へと変わり、大きな三つ編みが髪が背中へと流れる。何が起こったのか理解出来ずにいれば…唯一、分かっているらしいアクアが焦ったような様子を見せた。

「ギヒッ、鉄竜の咆哮！！」
「……ッ！！」

Aさんが風を操るように腕を動かせば、守るように風の壁が出来上がってブレスを防ぐ。そして小さく続けられた、フェニックスを閉門という言葉。

( ずっと星霊を召喚し続けてたの…！？ ) 星霊を喚び出している間はずっと魔力を消費し続けるというのに、なんて魔力なんだろう。

「あの姿を維持するのも結構大変みたいなの。今日だけでも使うの二回目。それからフェニックス召喚し続けた事、皆のサポートや幽兵倒したり、此処に着く前にアリアともやりやったし」

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