FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ1)

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Prologue. ページ1

「はいはーい！此方、アクアです！」

鞄の上からでも分かる程に光る球体 ── 通称：通信用魔水晶(ラクリマ)。光っているという事は連絡が入っている証。自分とさほど大きさの変わらないそれを尻尾を揺らしながら猫もどき ── アクアが引っ張り出しては、その連絡を受け取る。

『ふふ、今日も元気いっぱいね』
「あ、ミラちゃん！元気ですよん！Aに用事？」

一瞬、魔水晶の中が揺れたかと思えば映し出されたのはお騒がせギルド・妖精の尻尾(フェアリーテイル)の看板娘 ── ミラジェーンで。

『ええ。ナツの壊した物の修復をお願いしたいの』
「ええー！？また何か壊したの！？ ……今度からは、破壊者(クラッシャー)・ナツって呼んじゃお！」
『ふふ、ナツにはピッタリじゃないかしら。…そう言えば、Aは何処に居るの？』
「只今、依頼(クエスト)モンスターの討伐中です！」

アクアがクルクルと魔水晶(ラクリマ)を回すと、ミラ側の景色も変わる。ミラの目に飛び込んで来たのは討伐対象である大量の魔物に囲まれるフードを被った魔導士 ── Aの姿で。

『あらあら…相変わらず、皆が避けそうな依頼ばっかり受理してくれるのね。凄く助かるけど、余り無理しないように伝えてね。…それにアクアは大丈夫なの？』
「うん、伝えとくー！私の方はAが守護の結界張ってくれてるから、大丈夫だよ。相変わらず不思議なんだけど…一切、此方には見向きもしないの」

見えるかなーと外の光景とは真逆でのんびりとした動作で魔水晶を動かすアクア。何も無い筈の空間に一瞬だけきらりと光った様子に、ミラも納得したように答えた。

「あ、それで何処の修復に向かえば良いの？」

魔水晶を置いて自身の鞄から、ペンとノートを取り出したアクア。そんな彼女にミラも本題を思い出したように、修復を頼まれた場所を読み上げて行った。

「……また随分と派手にやったモンね」
「あ、A。お疲れさま！」
「ん、有難う」

メモを取り終えて、ミラとの通話を終了した所で降って来た声。アクアが顔を上げれば、自身の書き上げた修復リストを見下ろすAが居て。見易いように手渡した。

「 ── ん、これで終わり」
「おお、元通り！やっと全部、終わったね」

モンスターの諸々の処理や依頼完了の報告を終えて、更にはミラからのお願いを終えたAとアクア。水分補給をして、大きく息を吐き出すと何方からともなく呟いた。

「帰ろうか、妖精の尻尾へ」

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