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「そう、ハートフィリア財閥の一人娘。ルーシィの父親が、ファントムに依頼したそうよ。彼女を連れ戻すようにね」
ルーシィと父親の関係性は知らないけど…武力行使する辺り、上手く行っては居ないのだろう。然し、気になるのは何故、ジョゼが動いたのか。勿論、無茶苦茶な理論とは言えど、妖精の尻尾を潰せる口実が手に入るのもひとつだろう。
( ……後は、お金? ) それなら有り得るかもしれない。ハートフィリア家なら莫大な財閥を持っているだろう。ルーシィを人質にして奪う気なのか、そもそもの依頼料が高額なのか。
その辺は分からないけれど…兎に角、どんな理由があろうが仕掛けて来た事への怒りは変わらない。
「マスターは重症、他にも怪我人には大勢居る。けど…ラクサスには断られて、ミストガンの場所は分からない。…頼れるのは、貴女しか居ないの。お願い!出来るだけ、早く戻って来て力を貸して…!」
「白虎」
《 嗚呼、飛ばすぜ!》
「有難う。…直ぐに行く。それと、ミストガンには私からコンタクト取ってみるから」
「! 有難う、お願いね…!」
ミラとの通話を終了させて鞄に突っ込むと、外套を羽織る。そしてしゃがんでくれた白虎の背に乗っては、猛スピードでマグノリアを目指した。
《 あ、ハートフィリアって聞いた事有ると思った 》
「え?」
《 レイラだよ、レイラ・ハートフィリア。アクエリアス、キャンサーの元契約者!何で、あの金髪の子に渡ったのか不思議だったけど…親から渡ったんなら、何も不思議じゃない 》
猛スピードの中で語り掛けて来た白虎に首を傾げれば、唐突に聞かされた彼女の親の話。レイラ・ハートフィリアと言えば、もう既に亡くなっているから会った事は無いけど、私でも知っている星霊魔導士だ。( 成程。母親と同じ星霊魔導士に… )
あっという間に見えて来たマグノリアの街。目の前に広がるマグノリアの街は出て来た時とは明らかに違っていた。
「…これで良いのかな」
ギルドの方を目指してもらいながらも、何か有ったら呼び掛けて欲しいとガルナ島の一件で分かれる際にミストガンがくれたひとつのカードを手に取る。それはミストガンの持つカードと繋がっているらしいけど…。
『A?』
「! ミストガン…!」
応答してと願いを込めながらカードに触れていれば、僅かにそれが光り、聞こえて来た声。今のギルドの詳しい状況はその場まで行かないと分からないけど、彼の声が聞けただけでも安心出来た。
『抗争の話は耳に入っている。マスターの件は任せて欲しい。Aはギルドの方を頼む』
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ツバキ(プロフ) - 月の雫(ムーンドリップ)が月の雫(ムーンドロップ)になってますよ! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 38cae1e3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月10日 21時