第3話:0組 ( クラスゼロ ) ( 1 / 2 ) ページ22
「……眠、」
帰宅して早々にシャワーを浴びると、再び旅支度を済ませる。元々、エルザのように大荷物を持って旅するタイプではないので小さな鞄ひとつで充分。そしてしっかりと施錠すると、個室付きの深夜発の列車に乗り込む。そして出発前に早々に眠り着いた。
「お客様、終点です。お忘れ物が無いようにお気を付け下さい」
「……んん、」
扉がノックされた事で目が覚め、大きく伸びをしてからゆっくりと立ち上がる。軽く身支度を整えた後、忘れ物が無いのを確認した上で、列車を降りた。
「……あれ、もしかしてAさん?」
「! デュース。エースも」
街へと入って宿を取る為に暫く歩いていれば、辺りを見ながら名前を呼ばれて視線を其方へと向ける。其処には15人で構成された魔導士ギルド ──
被ったままだったフードを取れば、彼女はやっぱりと口にする。良く分かったねと素直に言葉を返せば、そうだったら良いなって気持ちが大きかったんだけど、あっていて良かったですと微笑んだ。
「あの、今から時間有りますか? Aさんさえ、良ければゆっくりお話したいです」
「是非って言いたいんだけど…その前に宿探さないと行けなくて」
「なら、僕たちが泊まってる所に来たらどうだ? 未だ部屋は開いているようだったし…」
「あ、それ良いですね!どうですか?」
そういう事ならと頷けば、案内しますと意気揚々と歩き出すデュース。君に会えて嬉しいんだなと微笑みながら告げたエースに、小さくふと笑って後に続いた。
「わ、本当にAちゃんだ〜!」
「久しぶりだな」
彼女達に案内して貰った宿で、先に受付へと向かえば部屋が余っているという事だったので、部屋を借りて荷物を置く。そして部屋を出ればロビーにエース達だけではなく、シンクとエイトの姿も在った。
「今日は4人だけ?」
「嗚呼、他は別の依頼に出ていたり店に居たり…って感じだな」
小腹空いたから何か食べながらでも話そうというシンクの言葉に、昨日の夜から何も食べていなかった事を思い出して頷いては、彼女が行ってみたかったというカフェへと入った。
「嗚呼、そうだ。…忘れない内にこれを渡して起きたかったんだ」
挨拶もそこそこに最近の近況を話していれば、運ばれて来た軽食。美味しそうと目を輝かせるシンクとデュースに小さく笑えば、何かを思い出したように荷物に触れたエイト。そして差し出されたひとつの袋に僅かに首を傾げた。
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ツバキ(プロフ) - 月の雫(ムーンドリップ)が月の雫(ムーンドロップ)になってますよ! (2019年9月23日 20時) (レス) id: 38cae1e3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗葉 | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/F0OOQB
作成日時:2019年6月10日 21時