FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ17)

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「玄武！」
「捕まってくれ、主殿」

差し出された玄武の手に己の手を重ねれば、魔法陣が展開する。魔法陣から発せられる光に一瞬だけ、目を瞑る。そして、開いた時にはもう地下へとやって来ていた。

「A！？どっから出て来た！？」
「星霊の力を借りたの。…それより、ごめん。儀式自体は止めたんだけど、手遅れだったみたい」
「…いや、復活しちまったモンは仕方ねえよ」

突然現れた私に驚いたように目を見張るナツ。其処にはリオンに勝ったらしいグレイの姿もあって。恐らく、氷が溶けて出来た水なのだろう。複雑そうな面持ちで水を救い上げるグレイ。( 氷となった師が、水になって… )

「主殿。…あれがデリオラなのだろうか？」
「グレイの反応を見るにそうだと思うけど。…でも、玄武の言おうとしてる事は私が思っている事と同じかもしれない」

そしてその奥に矢張り、復活を遂げたらしいデリオラの姿。( これがゼレフ書の悪魔…？ ) 恐ろしい見掛けでは有るけれど、それよりも気になった事があって。私の勘違いかとも思えたけれど…訝しげにデリオラを見る彼も同じように感じているのかもしれない。

復活させたデリオラに這い蹲ってでも会いたかったらしいリオン。グレイ以上にボロボロに見える身体で災厄の悪魔と戦おうとしているのだろうか。

「デリオラはオレが封じる！ ── 絶対氷結！」
「氷を溶かすのに何年掛かったと思ってる！同じ事の繰り返しだぞ！」

ナツに止められたにも関わらず、再び絶対氷結の構えを取ったグレイ。叫ぶリオンに、これしかねえと返すグレイ。けれど、私的にはもう少し冷静になって欲しいもの。

「 ── ナツ…！A…！」
「オレは彼奴と戦う」
「退け、ふたり共！！邪魔するな！」
「 ── 死んで欲しくねえから…あの時、止めたのに。オレの声は届かなかったのか？やりたきゃやれよ、その魔法」
「…ッ！」

正直、朱雀ひとりなら未だしも…玄武も召喚中の二体同時開門をしている中で魔法を使うのは危ういけれど…立ち上がってグレイの前へと立つ。その隣には同じように動いていたナツがいて。

「本当に師匠を慕ってたのなら、もっと彼女の事、信じてあげたら良いのに」
「……どういう、」

ナツの首根っこを掴んで後ろへと引っ張る。驚いたように声を上げる彼に、大丈夫だからと声を掛ける。

「避けろォーー！！」

鼓膜が破れそうな程により一層、雄叫びを上げたデリオラが振り降ろす拳。その風圧で、フードが取れそうになって思わず左手で押さえる。そして少しだけ魔力を込めた右手を上げた。

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