FAIRY TAIL - 蒼穹の巫女 - (ページ15)

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「今度は、何…！」

言い争うふたりに呆れていれば、突然揺れ出した神殿内。突然の事に思わず、バランスを崩してしゃがみ込む。そしてその揺れが収まると、ゆっくりと立ち上がって辺りを見回した。

「どうなってんだ！？」
「月の光がまたデリオラに……！」

「お取り込み中、失礼～」
「ザルティ、お前だったのか」

折角、傾かせたのにと壁や床を叩くナツの言葉に神殿が傾いていたのは、彼が何かしたからなのかと察する。そしてデリオラが神殿の何処にいるのかは知らなかったけど、グレイの言葉で地下かと一人呟いた。

( …にしても、何者なんだろう ) リオンから、ザルティと呼ばれた仮面を着けた謎の男。どうやって直したと叫ぶナツに答える気はないのか笑うだけ。

……その笑い声も、見掛けも、男性なのに、ほんのりと香る香水。それは明らかに女物のよう。( 別に男性が付けてても可笑しくは無いだろうけど… )

「さて、〝月の雫〟の儀式を始めに行きますかな」
「シカト…！？上等じゃねえか、なまはげがァ！！待てや、コラ！！」

無視された事にカチンと来たのか、火を噴きながら仮面の男を追い掛け始めたナツ。私も追い掛けようとした時、グレイが彼を呼び止めた。

「オレはあのクソッタレを100万回ぶっ飛ばす！こっちはお前に任せるぞ！！」
「…ッ！」
「負けたままじゃ、名折れだろ」
「嗚呼」
「オメーのじゃねえぞ」
「分かってる」

「「 ── 妖精の尻尾のだ！！」」

顔を見合わせて笑みを浮かべたナツとグレイ。普段はあんなに仲が悪いくせに、こんな時だけは意気投合するらしい。それは女とはまた違う友情なのだろうけどと一人思いながら、ナツを追い掛けた。

「どうやって遺跡を元に戻したー！？」

結構なスピードで遺跡の中を走り回るナツとザルティ。そしてナツの言葉に前を走っていたザルティが振り返り、魔法陣を展開する。

「こんなモン、効くかァー！！」

天井の石が丸く切り取られたかと思えば、それはナツの頭上へと降って来る。それを彼が容赦無く壊すものの、直ぐに元通りになった。

「ええ！？」
「ご覧の通りです。こうやって遺跡を元に戻したのです」
「な、何だァ！？この魔法！？」
「〝失われた魔法(ロストマジック)〟の一種でございますな。その強力さと副作用の深刻さにより、歴史より抹消された魔法…」
「歴史？」
「貴方の滅竜魔法も然り」
「オレの…？」

寧ろ、知らなかったのかと苦笑していれば一瞬の内に姿を消したザルティ。逃げられたと喚くナツの肩を掴んでは、グレイの時のように治癒魔法を掛けた。

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