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受験前日は、塾が早めに解散になる。
「優太ぁ、絶対受かったろ!ここまできたら!」
「おう、頑張ろ廉!」
『岸くん、れんれん、これっ、』
帰り際、Aちゃんが少し恥ずかしそうに手渡してきたのは布で出来たお守り。
「え、手作り?!」
『うん。3人で同じ学校に入れたらいいなと思って…作ってみた。私の念が入ってる!』
「ありがとうなぁ、A!」
「うっわぁ、すっげえ嬉しい!ありがとう!!
これでもう受かったも同然だー!」
『それはない。』
「ほんまにね。そういう気抜いた時が1番よくないんよ優太!」
ちなみにこのお守りは今も俺のお守りとして活躍してる。
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そうして、
廉とAちゃん含め、晴れて俺も合格して
今こうやって高校に通えてるわけ。
でも1年の時はAちゃんと同じクラスになれなくて。
廉とAちゃんはD組。
俺はA組。
悲しいことに全然話す機会がなさすぎた。
んで、2年になってやっと同じクラスになれたってわけ!
Aちゃんはちゃんと俺のこと覚えてくれていた。
それだけですごく嬉しかったけど、それ以上をと望んでしまう俺がいたんだよね。
1年の時は廉と行動してるAちゃんをよく見かけてて、
逆にそれ以外の人と一緒なの見たことない。
Aちゃんがいろんな人と仲良くなってほしいという思いも勿論あんだけど、
他の男と仲良くしすぎてとられるのもなぁとか思っちゃって。
それなら俺から好きをさらけ出しちゃえばと思ってこの形に至ってる。
おかげで、クラスのやつで俺がAちゃんを好きなことを知らない奴はいない。
ちょっと優越感だよね、なんか。
肝心の本人は呆れ気味だから
俺まだまだ頑張らないといけないんすけど!
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作者名:脈 | 作成日時:2020年5月6日 20時