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Aside
れんれんのサッカー部鬼練が始まって
岸くんは相変わらず実行委員会で、
一人で帰る日が続いた。
校門を出て一人で歩く。
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勿論、何度か一人で帰ったことはあるけど
いつになっても慣れない。
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『…あ！やばい、忘れ物した、』
科学の明日提出期限の課題プリント。
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戻るか、戻らまいか。
最悪明日の朝学校でも出来るけど…。
でも家に行くよりまだ学校に戻った方が近い距離だ。
…戻ろ。どうせ暇だし！
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放課後の学校は、ブラスバンド部の練習の音とか、
校庭で練習するサッカー部の声とか、
グラウンド周りを走る野球部の掛け声
いろんな音で溢れていた。
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２年A組に到着して教室のドアの前に立つと、
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「えっ、違くね？！松林はバレー参加っつってたよ！」
「そうなの？じゃあ、バレー部の方に追加しとくね？」
「おっけ、ありがと！」
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岸くんと日南田さんの姿。
日南田さんの前の席に岸くんが座って、後ろを向いている形だ。
ひとつの机で作業をする二人の距離はどうも近くて、なぜか目をそらしたくなってしまう。
なのに、なぜか見てしまう私。
私の目は二人を捉えて離さない。
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その時、
「うんうん、あ、そうだ、
当日の流れなんだけど...さ、」
身を乗り出した岸くんと日南田さんの距離はグッと縮まる。
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待って。無理だ。
体の拒否反応なのか、勝手に体が動いて、
おまけに私の目からは涙が溢れる。
どうして泣いてるのか、
なんで目を背けてしまったのか、
私にもよくわからなかった。
私はふたりから逃げるように教室を後にした。
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作者名：脈 | 作成日時：2020年5月6日 20時
