今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:13,657 hit
小｜中｜大
. ページ17
その時、
__ガチャ
「ただいまぁ。」
トイレに行ったれんれんが戻ってきて
私たちは急いで離れて元の位置と姿勢に戻る。
このときの瞬発力ったら、ここ最近に、
いや、ここ数年…下手すりゃ
生きてきて、これほどの物はないと思う。
「…なんなん、なんかあった…？」
そして、こういうときのれんれんの勘の鋭さは
恨むべきものがある。
「な…っ、なにも！？！」
ついでに岸くんは嘘が下手すぎる。
しっかり正座してるけど目は泳ぎまくりだし、
手汗を太腿に拭いまくるなよ。
「絶対怪しいやん。なぁ、岸さん？」
「んぃや、…、その、あの、Aちゃんが…！」
岸くんはそう言いかけて目線が宙を彷徨う。
「…Aがなんなん？」
「…かわ、かわいすぎる。」
真面目な顔で言い切った。
「うん、それはね、いつも言うてるよな。」
バレずに済んだけども！済んだけども！！
でも私から一つ言えるのは、
不思議と、先ほどまで岸くんに包まれていた体が
岸くんが離れてから寒いんだ。
"そういうの"とは無縁だった私が本当のこの気持ちに気付くまであと少し時間が必要だった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：脈 | 作成日時：2020年5月6日 20時
