彩天、色帰て [序章]【F.T/BLE.ACH】 (ページ13)

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第十項ページ13

軽く挨拶を終えたところで、言わずとも汲み取ってくれた

正直足を踏み入れるのも躊躇うその様に、玄関前で留まっていた二人

「承知しました、お手伝い致しましょう」

『助かる、とりあえずリビングだけでも頼めるか？』

部屋数もかなりあるこの家、まずは座って寝れる場所だけでもと頼む

ルーナは全部屋やった方がいいのではと提案した

『...苦労じゃないか？』

「構いませんよ、お役立てください」

三人で掃除するのかと思って手伝う気満々でいたルーシィは、

かの天霊が掃除する魔法でも使えるのかと疑問を浮かべる

「では、参ります

満ちなさい

待宵月(まちよいのつき)」

淡い光が包んだ家を、ルーシィは足を少し引いて眺める

開いたままのそこから見える室内に目を移し、埃や古びてしまった家具、小物が瞬く間に綺麗になった

新築にでもいるような感覚だ

「す、凄い...」

『劣化したものを治癒する技だよ』

「てか掃除(こういう)のに使っていいんだ...」

『...だって、掃除大変だろ』

修繕費用が...と側から見ればちょっと拗ねているA、これにはルーナもふふっと笑っている

ルーシィも、だってと言った彼女に可愛いの気持ちが溢れた

掃除を終えたところで、風呂や寝室の支度をと家に入る

雰囲気に流され二人に続いて入ったは良いものの、私どうしよと悩む

『ルーシィはどうする？泊まるか？』

「ぇ、いいの？」

大方気になる家見たさと、手伝うつもりで来てくれたことを指摘した

だが天霊に手伝ってもらったお陰で、何をすること無くソファに座っている

何ももてなせないけど、それでも良ければと付け足す

「あ、あたしご飯作ろっか！」

『...ぁーー』

側でじっとルーナに見つめられながら、何とも言えない返事をする

お腹すいてないのと加えて質問すると、食べなくても良いかなと考えてたらしい

道理でもてなせないわけだ