懐かしい思い出 �� ページ12
「ねぇ、マサイくん？」
マ「なーに、A。」
パソコンを弄っているマサイくんに話しかけると彼は振り返って、片方だけはめていたイヤホンを外し、わざわざ私の隣に移動してきて座った。
それをいいことに、私はマサイくんの肩に頭を乗せてみたり。重なるマサイくんの手は大きくて、私の手をすっぽりと覆う。
「マサイくんが告白してくれた日のこと、覚えてる？」
今日、8月16日はマサイくんと付き合い始めて7年と3ヶ月経つ日。
マ「あぁ、めちゃくちゃ覚えてるよ。」
そう頷き、「あれはすげぇ緊張した。」と笑う顔は7年前に彼に惚れた時と同じ顔だ。
「急に屋上に呼び出されるから、私びっくりしちゃった。」
マ「だってA、屋上好きだったろ？」
「なんでそれ知ってるの？」
驚いていると「お前のことはなんでも知ってる。」と微笑み、頭を撫でた。
マ「... 俺らなりに青春してたなぁ。」
頭の中に浮かぶ、あの時の記憶。
遡ること7年3ヵ月前。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
マ「Aさ、後で時間ある？」
昼休みも終わりに近づく頃、弁当箱を片付けていた私の肩をトントンと叩き、首を傾げる。
「うん、部活前なら。」
マ「じゃあ、その時屋上で。」
「はーい。」
自分の席に戻るマサイくんの姿を見届けると、机の横のフックに弁当袋を下げ、次の授業の準備をした。
.
.
.
『A、じゃあね〜！』
「うん、また明日〜」
帰りのホームルームが終わり、友達が次々と挨拶を交わして、それぞれの部活場所へ行く。
教室を見回すと、マサイくんの姿はもう無かった。待たせてしまっているかもしれない、そう思い少し焦りながら教室を出た。
屋上まで続く階段を駆け上がり、扉を開けると爽やかな風が吹き込んできて、下ろしている髪の毛が大きく揺れた。
「ごめんね、遅れて！」
マ「ううん、全然待ってないから大丈夫。」
「よかった...。」
階段を駆け上がったせいなのか、それとも目の前に大好きな人が居るからなのか、心臓のドキドキが止まらない。
マサイくんにこの鼓動が聞こえてしまうんじゃないか、っていうくらい。
マ「あの、さ...。」
「うん、」
俯きがちに言う声はいつにもなく小さくて、風の音にかき消されそうなほどだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 502人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にとまる。 - 富士急で携帯無くてシルクも見つけられなかったのにだほちゃんに電話しちゃうんですね、、何事。 (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 307b4f2a6a (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ - 小春。さんに質問ですけど、マサイといとこちゃんのデートの話はどうなったのでしょうか？ (2018年8月15日 9時) (レス) id: 8e98ba77aa (このIDを非表示/違反報告)
いゆま - 懐かしい思い出のシルクのとこで、涙ボロボロ出ちゃいました(泣)めちゃくちゃ文章力ありますね！ (2018年7月21日 0時) (レス) id: 4cb94a2676 (このIDを非表示/違反報告)
小春。(プロフ) - とむさん» コメントありがとうございます！本当に今まで全然気づかなかったです...。ご指摘して頂き、ありがとうございます(>_>) (2018年7月4日 18時) (レス) id: 6889d6ceb9 (このIDを非表示/違反報告)
とむ(プロフ) - お話読ませてもらいました！ニヤニヤしながらwでもひとつ気になったのが目次？のページのメンバー1人1人話してる部分？といえばいいのかな？ぺけたんがないのはなんでかなと、、、これからも頑張ってください(^^) (2018年6月11日 0時) (レス) id: df8a8bc98b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：小春 。 | 作成日時：2018年4月3日 21時
