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No20 ページ21

「ママ今回のテスト浜田の方は確実に100点。秀明のほうは国語と英語は確実に100点だよ」

「あらそうなの。すごいじゃない。まだ結果はわからないけど」

今のママは優しい。昔の違うママは僕が,お兄ちゃんみたいに頭も良くなくて

奈子みたいに愛想ないからって言う理由で僕を虐待していた。

でも今のママは僕にも優しくしてくれる。だから家では毎日が楽しい。

僕の家には居場所があるんだ。

でも今の僕は家でも楽しいとは思わなくなってしまった。

理由はきっとKZだろう。

あの人たちが裏切ったから今の私は楽しくないのだ。

昔のママと今のママが変わる間にある人のところで住まわせてもらっていた。

もちろんみんなにはバレないように学校も秀明も通っていたけれど。

僕は階段を上った。自分の部屋に入りたかった。

その人はとても優しかった。

こんな僕に優しくしてくれたのだから。

本当はその人のところにいてもよかったのだけれど,きっとその人に迷惑だろうから

警察から解放してもらえたパパと新しいママの所へ行った。

思い出すと涙が出てきそうになる。

目から何かが流れてきた。

とても暖かい何かが。

「あれ?僕なんで泣いてるんだろう。自分でもわからないや」

昔のことを思い出したからなのか,それともあの人のことを考えたからだろうか。

こんな僕の話を優しくとても優しく聞いてくれたあの人。

今の僕はとても幸せなのになぜ泣けるのだろう。

ああそうか。今の僕は自分でもわからないほどに辛いのだろう。

こんな他人事みたいに言えるのは自分でもわかっていないからだろう。

僕は誰にも届かないSOSをずっと送っていたのかもしれない

『誰か助けて』

と。こんな僕を助けて欲しいなんて思ったのはあの時ぶりだから。

こんなことを思ったのはあの時ぶりだから。

だからあの人のことを思い出したのだろう。

僕は自分から『助けて』って言えるような人じゃなかったから。

それでも僕の周りには僕を助けてくれる人がいた。

例えば砂原とか前のKZとか。

僕は周りの人に恵まれてるんだなぁ。

僕は改めてそれを実感した。

「なんで泣いてるんだろう僕は。僕は周りの人に恵まれているのに助けてくれている人がいるのに

なんで泣いているんだろう」

涙が溢れ出して止まらなかった。

僕は…僕は…僕は!

「誰かに助けて欲しかったんだ」

僕は初めて「助けて欲しい」そう,口に出すことができた。

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零斗 - よろしく〜 (2023年3月3日 6時) (レス) id: b4d0964373 (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - 零斗さん» もちろん〜!! (2023年3月1日 22時) (レス) @page46 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - 楽しんできて〜!!!!お土産話もちょーだい〜!! (2023年3月1日 21時) (レス) id: b4d0964373 (このIDを非表示/違反報告)
叶乃(プロフ) - 零斗さん» うあっ…見させてもらったけど、想像するだけで尊死…いいな〜!ライブ今週だからめちゃくちゃ楽しみ! (2023年2月27日 16時) (レス) @page46 id: aa9cc439ad (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - だよね(真顔)運良過ぎて普通に死ぬ。今日のライブもやばかった。投稿してるからみてね。 (2023年2月26日 19時) (レス) id: b4d0964373 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:一ノ瀬 零斗 | 作成日時:2022年1月27日 13時

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