今の私ともう1人の私

No15 ページ16

昼休み

俺は音楽室でピアノを弾いていた｡

ショパンの高難曲，「黒鍵のエチュード」だ。

これは前に楽譜を買ってから弾いてみたくて駅のピアノで弾いてしまい目立ってしまった。

そして昨日買った楽譜が，世界で一番難しいとされる，ラ・カンパネラ｡

明日弾いてみる。

「た，立花さん…貴方… 黒鍵のエチュードを弾けるの？」

「えっあっはい」

「嘘…」

「貴方，ピアニストになれるわ！」

「今まで何度も誘われましたが，お断りします」

「そう…」

「明日も来ていいですか？ラ・カンパネラを練習したいので」

「…………」

「先生？」

「………いいわよ………」

「あっよかった。はい！」

先生大丈夫かなぁ？

まあいっか。


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放課後

靴箱の中に手紙が入っていた。

そこには可愛らしい文字で恐ろしい事を書いてあった。

　 いつものところ来い


はぁやっと無くなったと思ったのに…

行くか…行って暴言でも吐いてこよ。


体育館裏

「あっ来たー」

「もう〜遅い」

「キモっ」

「は？」

「興梠，もうやめなよ。こんなこと｡もうすぐ期末なんだから｡貴方達は勉強しなきゃ。そうでもしないと

いい成績が取れないでしょ？」

「は？」

「聞こえないの？いじめるのをやめて，勉強でもしてろつってんだよ」

「少しチヤホヤされたからって調子乗るんじゃないわよ！」

「。。。チヤホヤされてるの？」

「されてる！」

「貴方は嫉妬深いのね」

「えぇそうよ」

えっそこ認めるんだ。意外。

「とにかく辞めなよ」

「そうだ！辞めるんだ！」

「みんな何でいるの？」

「俺が呼んだ」

「くっ」

ダダダ

もうこれでいじめはなくなったかな。

よかったよかった。

「彩，大丈夫？」

「？？？俺暴言吐いてただけなんだけど…まあ大丈夫だよ！」

「ん，いつもの天然ぶりだから大丈夫だね！」

？？？

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