た ぬ き び よ り 2

現在使われておりません ページ7

電話の相手を見た途端、私はそっと赤いボタンに手を伸ばした。

しかし、手が滑って思わず通話ボタンを押してしまった。
うわ、やっちゃった…。

ピッ

【もしもしーAちゃ

【おかけになった電話番号はただいま使われておりません】


お願いだから切ってくださいお願いします。
こんなに機械的な声出したの初めてだよ私。


【え、いや、Aちゃん？絶対そうだよね】


もー！なんで電話かけてくるんですか＿＿詩人さん。
何かしましたか私？


【おかけになった電話番号はただいま使われておりません】


この会話を六回ほど繰り返したのち、詩人さんはやっと電話を切ってくれた。

あきらめて…はいないよねぇ。

電話が終わると次は、スタレンしてきた。

それも何気、まふてるのスタンプ。可愛いなぁ。

「もーうるっさい」

でも、うるさくて仕方ないので渋々既読をつけた。

それでもなお、止まらないスタンプに腹がたって

【バーカ】と一言送った。

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