た ぬ き び よ り 2

司会者さんの無茶ぶり ページ42

「壁ドンですか、良いですね！それぞ、青春って感じですねー！僕、それみてみたいなぁ。天月さん、やってくれませんか？」

何言ってるんですか司会者さん！？
壁ドンって天月さんも流石にやらないでしょ。

少し呆れながら天月さんを確認するとノリノリで「別におっけーです」なんて言っていた。

…いやダメでしょ！
まず、誰にやるんですか。

司会者さんは大喜びして壁ドンの相手を選び始めた。

私には関係ないよね、なんて観客席を見ていた5秒前の私を全力で叩きたい。

司会者さんがニコニコしながら近づいて来る。

「うらたの彼女さんやってくれませんか？」

私、彼氏いるんですけど？
それも、目の前にいますけど？

うらたの方を振り向くとうらたは歩みよって来た。
不機嫌な顔で。イライラしてる確実に！

「司会者さんすいません。…こいつは俺のなんで」

そう言ってうらたは私を引き寄せた。

あっ、私終わった。

耳をつんざく程の悲鳴が当たりに響き渡る。
わー私、今うらたに抱きしめられてる。

…絶対、ファンの人怒ってるよね。

今すぐ離れなければ、うらたに迷惑がかかる。
私はうらたの腕をポカリと殴ると抱きしめる力を強くされた。

ダメだこれ。離してくれないパターンだ。

私は潔く諦めて、されるがままの状態が続いた。





…私の人生は波乱万丈すぎると思う。

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