娼婦と弟さん、auに行くとか聞いてないらしい【UTau】

プロローグ2 ページ3

もう少しだけ調べてみると、それぞれ独自の名前があること、光/闇auがあること、いくつかに分類されていることなどがわかった。

『主にインク…じゃなくてink、dream、berryが光au…で、nightmareを中心とした六人が闇au、と。…このepicとかいいなぁ…紫色で。』

私の好きな紫色。
左目も紫色らしい。

『…早く明日の準備しなきゃ。』

明日も「仕事」がある。
弟達を養うには、これくらいしか方法がないから…

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『ちゃんと確認した？』

「うん。」

『それで良し！…海斗、もう直ぐ幼稚園の時間だよ。』

「あ、そかー。」

『全くもう…裕樹、今日はお姉ちゃんも一緒に行けるからね。』

「分かった。海斗も？」

『ええ。』

「了解。」

「ねーね、キャラメル欲しい…」

『はいはい、海斗はこれ好きねえ？』

「ふふふ…」

『…出るよー！』

「「はーい」」

仕事の服ある、着替えもある、二人とも忘れ物はなしっと…
うん、おっけー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

『裕樹、学校は楽しい？』

「うん。」

『家の事で何か言われたりしてない？』

「うん。」

『そっか、良かった。』

私が体を売っている娼婦で、その弟だと知れたら、最悪虐めに逢うかもしれない。それだけは、絶対に嫌だ。

ふいに、顔を上げると、隣から突っ込んでくる車がいた。

『え――』

何かを思う暇すらなく、その車に激突した。

「ね…ちゃ…」

『ゆう…かい、と…』

あ、ダメだこれ。
私も、裕樹も、海斗も…多分、みんなぶつかってる。
あーあ…このまま死ぬのかなぁ。
神様って不平等だよね。
私達みたいな貧乏人は無視するのに、富豪の人だけ優遇するんだもん。

…ま、この子達が幸せなら、それでいっか。

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