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4:そんなことも、ないかもしれません。 ページ4

頭が真っ白になるのに、目の前が真っ暗になる。

「(やだっ、こわい、やめてよ!!!)」

しかし体は動かない。

恐怖で動かせない。

その間にも、男達は近付いてくる。

体が固まっている彼女をいいことに、男達は手を伸ばす。

「(いやっっ!!!)」

そう思った瞬間、男の手はぱしっと掴まれた。

「……何をしているんですか」

「(……だれ、?)」

見れば、金髪褐色肌の、少女にとっては見覚えのあるような男性が立っていた。

「おいおいニーチャン……邪魔するなよ、な?」

その言葉が彼の琴線に触れたのだろう。

男の腕がミシッと嫌な音を立てる。

「いでででで!!っ、おい、離せっ、お前ら!!」

後ろに少し逃げた男は残りの二人に指示を出す。

後ろに控えていた二人は彼へ手を伸ばした。

直後。

「いってぇ!」

「ぐあっ……」

彼らは倒れ、そのまま逃げていく。

「……」

彼は手を握り、そして開くことを数回繰り返した。

「(……こわ、い……)」

再び少女の息は荒れる。

「……!大丈夫ですか……あぁ、僕は離れます、丁度あの男達を追いかけていくところでしたので……」

「(……やさしい、ひと……?)」

少女は震える手で自身のカーディガンを掴む。

視線を下に落として、深呼吸を繰り返す。

気付けば隣には自身のショルダーバッグがあって、彼は居なくなっていた。

「そ……うだ、ココアのお代……」

「(無銭飲食……とかいうあれ、なのかな……どうしよう……)」

少女が悩んでいると、風を切る音と共にサッカーボールが飛んできた。

反射的に掴んでしまい、誰かに渡す必要が出てきてしまった。

このまま投げ返せばそんなことをしないで済むだろうか。

少女はそんなことを考える。

「確かこの辺だったはずなんだけどな……」

「もー、元太くん変なとこに蹴らないでよー!」

「悪いって……」

ぼんやりとしている間に、子供が四人、現れてしまった。

「ん……?あ!ねーちゃん、それ俺達のボールだ!」

「あ、ほんとですね!取ってくれたんですか?ありがとうございます!」

少女はボールをそっと地面に置き、軽く押して転がす。

子供達と関わる必要が無いように。

「……三人は先に遊んでなさい。私、ちょっとこの人に用があるみたい」

「え?そうなのか?じゃあ後でな!」

心臓がドクンと跳ねる。

「(……こわいよ……ねぇ……!!)」

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←3:みんな、おんなじでした。



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設定タグ:名探偵コナン , 逆ハーレム , 〇〇恐怖症   
作品ジャンル:アニメ
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diamond(プロフ) - わ、私の作品にこんなにコメントをくれた人は初めてです……!!本当に嬉しいです、それぞれの作品をとても評価して下さっているし…!!すっっごくいい人だ……!!! (2月18日 14時) (レス) id: ed33001028 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 題名見ただけで分かる、この作品は神作だと。そしてこの作品を作っている作者もまた、神作者だということを。 (2月18日 13時) (レス) @page1 id: 4f6d70bcc4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:diamond | 作者ホームページ:無い  
作成日時:2024年2月17日 21時

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