3：みんな、おんなじでした。 ページ3
少女は駆けた、全速力で。
それが周囲の人々の視線に留まり、また息が荒くなる。
そして急に止まり、かと思えば走り出す。
そんな不可思議なことをしているせいか、再び人々の好奇の視線に晒される。
それの、繰り返し。
少女は走って、走って、走り続けて……そして、ある公園に着いた。
ポアロに向かう時も見かけた、子供が遊ぶ公園。
少女はどこでもいいから休みたかった。
子供の視線は気にならないだろうと思い、公園の中に入る。
「(気配を消せばいいだけ……私という存在を限りなく認識させないように)」
きっと自分の容姿など見ただけで不快になる。
そう決め付けた彼女は公園の目立たない位置にあるベンチに座る。
「……はぁ」
思わず口から溜め息が零れる。
「(なんで、人の視線ばっかり伺って……そんなの、ただの臆病者なのに……)」
◆◆◆◆◆
「おねーさーん！……ダメだ、全然居ない」
「結構目立つ容姿だけど……帽子を持っていたからね」
「でも電車やバス、タクシーは使って無いはずだよ。交通ICと財布が鞄の中にあったから」
「……取り敢えず君は簡単に人のモノを見るのをやめようか……」
注意された彼は「ごめんなさぁい」とあどけない少年のように言う。
恐らく改善されることは無いだろう。
「安室さん、あの人が飲んでいた薬って何か分かる？」
「あれは……確かパロキセチン、だったか」
「……それって」
「ああ……強力な抗鬱薬だ」
「(見たところ男性恐怖症に視線恐怖症……もしかしたら対人恐怖症も患っているのかもしれないな)」
ひとまずあの女性が持っていたバッグを渡すために一度ポアロに戻る旨をコナンくんに伝える。
「うん、分かった！見つけたら連絡するね！」
「頼むよ」
駆け足でポアロに戻り、扉を開く。
「すみません梓さん、もう一度出てきます」
「全然いいですよ！はい、あの人のお荷物です」
「ありがとうございます」
ショルダーバッグを受け取り、再び店外へ駆ける。
「(あの人に何も起こっていないといいが……)」
◆◆◆◆◆
「……お、イイ人いんじゃーん……」
ふとそんな声が聞こえて、顔を上げる。
そこには、男性が三人もいた。
ヒュッ、と息が詰まる。
男達は下卑た笑みを浮かべながら、こちらへ近付いてくる。
「ねぇお姉さん、ちょっと俺らと遊ばない？」
「……ッ！……！」
恐怖で、体が動かなかった。
4：そんなことも、ないかもしれません。→←2：とっても、こわいんです。
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diamond(プロフ) - わ、私の作品にこんなにコメントをくれた人は初めてです……！！本当に嬉しいです、それぞれの作品をとても評価して下さっているし…！！すっっごくいい人だ……！！！ (2月18日 14時) (
レス) id: ed33001028 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 題名見ただけで分かる、この作品は神作だと。そしてこの作品を作っている作者もまた、神作者だということを。 (2月18日 13時) (レス) @page1 id: 4f6d70bcc4 (このIDを非表示/違反報告)
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