【BL注意】僕は人間ではないようだ。【吸血鬼】

side.¿? ページ37

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森の中にぽつんと立つ、光ひとつ見えない真っ暗な廃墟、否、昨日までは綺麗だった屋敷。
ガタン。少しだけ開けておいた窓をコウモリ姿で潜り抜けた。

そのまま、建物内に侵入すると埃まみれの部屋には所々ガラスの破片のようなモノが散らばっている。

窓から差し込む月明かりを反射してきらりと輝く破片を横目に、廊下に出て記憶を辿りにシャワー室へと向かう。

記憶では確かここを曲がった筈だ。
そう思って角を曲がり、真っ直ぐ進むと突き当たりの壁には人がもたれかかって、その横には無惨に心臓が抉り出されていた。


その姿を見るだけで、アイツらへの憎悪が沸々と湧き上がる。

あぁ、憎い、憎くて堪らない。殺しても殺し足りないくらいに。


今すぐにでも八つ裂きにしてやりたいが、今の戦力差じゃ昨日みたいにすぐにやられる。

苛立ちのせいか、時間切れか変幻していた体が解け、元の人型の姿に戻った。


額から血が流れ落ち、顎を伝ってぽたりと床に染みを作る。
この血が、自分のものなのか、あの時の血なのか分からないが、無性に美味そうに見えてしまう。

しかし、まだ理性が残っている。

俺はあんな化け物と違って、血なんか飲むわけがない。

そう言い聞かせ、壁に寄りかかる死体に背を向ける。

気持ちを抑えながら、壁を支えにシャワー室へと歩き出す。




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