【BL注意】僕は人間ではないようだ。【吸血鬼】

bloom.10 ページ32

.



案の定というか、一護(イチゴ)の顔はみるみると怒りへと染まり、拳を強く握りしめている。


「管理人に喧嘩を売る気か……追い出されたいようだな」

「管理人管理人うるさいな。逆に言うが管理人が俺を手放すと思うか？」


売り言葉に買い言葉とはまさにこの事だろう。
再びヒートアップしていく一護(イチゴ)と儡(ライ)さんの喧嘩。

多分当事者なのにも関わらず僕は何も出来そうにない。


「護衛ぶって偉そうに言えるのも、明日まで。

明日には未(ヒツジ)が管理人にチクってお前はこの件に関われなくなる。」


儡(ライ)さんの言葉に、思う所があったのかどんどん表情が暗くなる一護(イチゴ)に対して。


「薔(シキ)、お前の役割は終わりだ。」


追い詰めるように言い捨てて、勝ち誇ったような表情をする儡(ライ)さん。

僕は一護(イチゴ)がどういう行動を取るのか分からず、固唾を飲んで見守った。


「……もう、いい。勝手に言ってろ」


殴ったり感情的になるのかと予測していたが、意外にもあっさり引き下がる。
そしてそのまま部屋を出て行ってしまった。



.

torture.1→←bloom.9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す