Prologue 4 ページ4
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＿＿＿しかしその時は一向に来ない。
恐る恐るぎゅっと瞑った目を開けると、先程の男とは違う高身の男が男の心臓を抉り出していた。
あまりにも生々しいことが続いたせいで、オーバーヒートを起こしたのか、くらりと頭が揺れた気がする。
僕の存在に気付いたように高身長の男はこちらを見た。
ぼさぼさの髪をかき上げて、じろじろと僕の顔を上から下まで観察する。
「お前兄は居るか？」
先程と同じ質問、これで居ないと答えたら次は本当にし、しぬんじゃ……。
嘘でもいいからと必死に首を縦に振ると、男は血まみれの手で僕の手を掴み洗面台へと引っ張る。
僕は彼が血を洗い流している所をじっと見て、ただただ彼の手が綺麗になることを待つしかできなかった。
「よし、綺麗になった。じゃあ口開けろ」
剃刀片手にそう言われて、言われるがまま開けるやつが居るか。剃刀でも飲ませて、僕がじわじわ苦しむのを見るのか？
なんて考えているうちに、口に指を突っ込まれ無理やりこじあけられる。
「うっ！？」
「飲め」
口の中でどろりとした感触がして、喉の奥に何かを押し込まれる。
見た感じ剃刀は飲まされていないが、突然の異物の侵入に体が拒否感を抱いて吐き出してしまう。
手に吐き出されたものは、唾液に塗れた赤い液体。
「何吐いてんだ。ほれもう一回」
再び顎を掴まれて無理矢理上を向かされる。そしてもう一度喉奥に何かを詰め込まれた。
今度は先程よりもすんなり飲み込めたが、違和感が拭えない。
気持ち悪くてたまらない、と表情を歪めていると、鏡越しに目が合った。
「これでお前も仲間入りだな」
その言葉を聞いた瞬間、僕の身体はドクンと脈打つ。
鼓動の音がいつもより爆音で、まるで耳元で鳴っているようだ。
全身に血液が駆け巡っていき、体温が上昇していくのを感じる。
息も上がって、どうかしそうだ。
平衡感覚まで無くなってきて、耐えきれず、倒れそうになると男にヒョイと持ち上げられて、所謂姫抱っこ状態になった。
視界まで歪んできてまるで貧血のような状態で“それ”を気にしている間もないのだが、なぜか男の瞳が目に入る。
先ほどのノコギリ男とは違って、
なんか昔誰かと行った農園の淡いピンク色の
「い、いちごみたい……」
その言葉を皮切りに僕は意識を失った。
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夕夜 - とっても面白いです！続き待ってますね。応援しています！！ (2023年5月7日 22時) (
レス) @page43 id: 19daafe7ae (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - kemさん» ありがとうございます！CSSは自作です（ ; ; ） (2022年7月31日 4時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
kem - めっちゃ面白いです!!!!CSSってどこのつかってますか?? (2022年7月31日 1時) (レス) @page19 id: c443e77f26 (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - あーちゃん様さん» 有難うございます！頑張ります（ ; ; ） (2022年7月29日 1時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん様 - 更新待ってます‼めちゃめちゃ面白いです‼ (2022年7月28日 19時) (レス) @page7 id: 875565d54e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：地銀 | 作成日時：2022年7月28日 7時
