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Prologue 3 ページ3

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階段をゆっくり登って一階、二階、三階と自分の住んでいる階に着いた。

すると、佑月(ゆずき)の住んでいる307号室の扉が少し開いてるではないか。


「の、除くぐらいは良いよね。幼馴染だし」


自分に言い訳するように呟いて、恐る恐る覗いた。

瞬時に鼻孔をくすぐる、鉄のような嫌な匂いに、目に飛び込んでくる赤い水溜まり。

何かが引きずられたような痕跡が佑月(ゆずき)の部屋まで続いている。

自分でも何を思ったのか引き寄せられるように、玄関に足を踏み入れる。痕跡を辿り佑月(ゆずき)の部屋に行く前に、廊下とリビングを繋ぐ扉をゆっくりと開けた。

そこには先程よりも新鮮な鉄の香りが充満して、処刑台で首だけが切り落とされたように無惨に首が転がっていた。先程から探していた幼なじみのその父親と母親と思われる、生首、血液。

感情の起伏より先に体が腐乱臭にやられたのか、危険反応を起こしたのか、胃液が登ってくる。咄嗟に口を塞ぐが、びちゃと音を立てて床に落ちる。

来る、そう思った。なぜだか分からない、でも背中に悪寒を感じた。


「まだ1人居たのか」


背後からの声に驚き振り返ると、佑月(ゆずき)の部屋の扉を開けてゆっくりとこちらへ向かってくるノコギリのような凶器を持った男。
返り血であろう赤い液体を被っている。

逃げないとヤられる、でも玄関に近いのは男の方だ。


嗚呼神さま、いるなら助けて。
好奇心に負けて家に入ったことを後悔しながら、先ほど吐いた自分の吐瀉物まみれの手を重ねて祈る。


しかし、祈りが届くはずもなく男はこちらへ一歩ずつ近づいてきた。
そしてその距離は0になり、僕の肩に手を置いた。


血液よりも赤黒いような瞳がじっくりと、僕の顔を見つめる。


「お前、兄は居るか?」

恐怖で声も出ない僕は必死に首を横に振る。
「じゃあ弟は?」なんの質問なのかと、思いながらもまたもや僕は首を振った。


「なんだ、勘違いか」

 
安堵したような表情をする男と対に、僕はもうどうしようもないこの状況に絶望していた。
そんな僕を見て男はニタァっと笑うと、持っていた刃物を振り上げる。

リビングで見たように首を落とされるんだろうか、そう思い目を瞑りその時を待つ。



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夕夜 - とっても面白いです!続き待ってますね。応援しています!! (5月7日 22時) (レス) @page43 id: 19daafe7ae (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - kemさん» ありがとうございます!CSSは自作です( ; ; ) (2022年7月31日 4時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
kem - めっちゃ面白いです!!!!CSSってどこのつかってますか?? (2022年7月31日 1時) (レス) @page19 id: c443e77f26 (このIDを非表示/違反報告)
地銀(プロフ) - あーちゃん様さん» 有難うございます!頑張ります( ; ; ) (2022年7月29日 1時) (レス) id: ace2098bf5 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん様 - 更新待ってます‼めちゃめちゃ面白いです‼ (2022年7月28日 19時) (レス) @page7 id: 875565d54e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:地銀 | 作成日時:2022年7月28日 7時

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