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結局職員室でこってりと絞られた俺。
いつもはしないヘマをしてしまった。
会長の走りに夢中ですっかり授業中だということを忘れていたのだ。
…と、向こう側から来る見覚えのある銀髪が目に入る。
それだけで暗かった俺の気持ちは見る見る明るくなった。
ジャージ姿から変わり、いつも通り彼はきっちり制服を着込んでいた。
「会長ー！」
ぶんぶんと手を振り声をかければ、ふわりと花が咲くように微笑んでくれる。
ポーカーフェイスだと思っていたが、慣れればその少しの表情の変化も分かるようになった。
そして先程見ていたことを話すと、恥ずかしそうに笑う。可愛い。
どうやら会長は勉強より運動の方が得意らしい。
なんというか、意外である。
真面目で大人しそうな人だと思っていたが、アグレッシブな面もあるようだ。
キュンとしてしまうこの気持ちがギャップ萌えというやつだろうか。
「橘君、丁度良かった。今から黒田のところに行くんだ。来てくれないか？」
会長直々にお願いだなんて珍しい。
当然断るわけもなく、二つ返事で引き受ければ安心したように彼はまた微笑んだ。
どうやら先生に素行を注意してほしいと頼まれたようだ。
俺と同じく会長を狙う男に会いたくは無かったが、会長一人で行かせるのはもっと嫌だ。
そんなわけで護衛としてついていくことにした。
会長に続き旧校舎まで行けば、彼はいた。
あの派手な赤毛は目立つ。
ここは古くて危ないためか、今では使われず、不良達の格好の溜まり場となっていた。
カラフルな頭の不良生徒が大勢いるが、そんな彼らに怖気付く会長ではない。
堂々としたその姿は、とても頼りになり不思議と大きく見えた。
そんな会長の空気は圧になり、不良達は自然と黒田への道を開けていく。
「おっ！春彦！珍しいなあー！」
上機嫌に笑って手を振る相手だが、会長は微動だにしない。
それどころか、いつもより表情は険しかった。
会長のポーカーフェースが初めて崩れたように思えた。
コツコツとローファーを鳴らしながらしゃがみこむ彼に近づくと、ガンッ、とすぐそばの壁に足をつける。
顔面すれすれだった。
「俺はそれが嫌いだって言ったよな？」
淡々と言っているが、微かに怒りで声が震えていた。
黒田は煙草を吸っていたのだ。
俺も前まで吸っていた。だから情けないことに、何故そこまで怒ったのかが分からない。
でも、それは会長の地雷だったようである。
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Td(プロフ) - ともえさん» ありがとうございます。検討致します (2018年12月17日 19時) (
レス) id: 7b29245002 (このIDを非表示/違反報告)
Td(プロフ) - ミオさん» こちらこそありがとうございました。検討します。 (2018年12月17日 19時) (レス) id: 7b29245002 (このIDを非表示/違反報告)
ともえ(プロフ) - 面白かったです！続編希望です！ (2018年12月17日 8時) (レス) id: 3030554e8b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - 面白かったです！ありがとうございました！続編希望です！ (2018年12月17日 2時) (レス) id: f13eb61b67 (このIDを非表示/違反報告)
怠惰(プロフ) - 油菜さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです！ (2018年3月8日 6時) (レス) id: 49a9a48379 (このIDを非表示/違反報告)
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