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先に歌い始めた彼女に続くように、俺も歌い始める。殆ど内容は一緒だったが、一ヶ所だけ。約束を破ったときの罰が、本家とはまた違うAオリジナルのものだった。
「嘘吐いたら一週間家のこと全部やーる！指切った！」という、少々無理矢理感の強い彼女のオリジナルに、二人して笑い出す。詰め込んだねぇなんて冗談混じりに口にして、俺は絡まった小指に視線を移した。
この時の俺はどこからそんな自信が湧いてきたのか、自分は絶対に約束を守りきれる、なんて根拠もない自信があった。俺は自分のペースを確立できている。そんな自信が、どこかにあったんだ。
―――それがなんの根拠もない自信であったことは、案外すぐに証明されることとなった。
．
．
―――その日は、珍しく朝から自分の体が不調を訴えていた。体がだるい、頭が痛い、ちょっと寒い、の王道三コンボ。
けれど脇に挟んだ体温計は至って正常な値を示していて、それを見た俺は特に体の不調について深くは考えず、家に置いてあった頭痛薬だけ服用してオフィスに向かった。
なにより今日は、多少の不調では休めない、大事な会議があったのだ。
そして、本当の地獄はそこからだった。
多少であった体の不調が、出勤後には物凄く悪化していたのだ。頭が痛い、なんて物じゃない。頭がまるで鈍器で殴られているかのように痛い。体が鉛のように重い。暖かい季節な筈なのに、僅かに指先が震えるほど寒い。
直感で、あ、これはやばいと思った。
「福良さん、すみません。今日の会議で使うこれ、確認していただけますか？」
「あ、あぁ、うん。分かった」
しかし会社に来た以上、そうも行かない。俺がいくら体調が悪かろうと、この会社は常に回り続けているのだ。そしてここへ来てしまった以上、俺にも当たり前だが仕事が回ってくる。
本当はもっと早く言い出すつもりだったのだが、今日は運が悪いことに会社が繁忙期に入ったばかりで。いつも以上に仕事がハイペースで回ってきて、とてもじゃないが言い出せそうにはなかった。
何気なく額に触れると、思わず自分でも「あっつ」とこぼしてしまう程には熱を持っていた。いつまで持つか、出来れば会議終了まではもってほしい、そしたら多少は、言い出しやすくなるだろうから。
悲鳴をあげ続けている自分の体にそう何とか言い聞かせて、重い体に鞭を打って纏めた資料を手に、会議室に向かう。
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eze(プロフ) - 完結おめでとうございます！夫シリーズ大好きで更新されていることに驚いてやってきましたが、最後の最後まで面白く読ませていただきました。今後も楽しみにしております。 (2020年12月21日 22時) (
レス) id: 823d0abd48 (このIDを非表示/違反報告)
わか(プロフ) - 完結おめでとうございます！白菜さんの作品の中でもこの作品はめちゃくちゃ好みでした！！最後のブーケトスのオチまで完璧でしたね笑 思わず笑ってしまいました笑 これからも応援してます！！ (2020年12月21日 19時) (レス) id: ecdf86f4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーチフラペチーノ - 終わってしまったぁぁぁぁぁ！！！ぴえん。 (2020年12月21日 15時) (レス) id: cb74bd79ea (このIDを非表示/違反報告)
すずどら - 完結おめでとうございます。とても面白かったです。最後にko-chanが幸せになったのは「よかったなぁko-han！！」と少し興奮しました。私の最押しも出てきてくれましたし……めっちゃ良かったです！ところで、小森ちゃんって他の話に出たことありますか？ (2020年12月21日 5時) (レス) id: 60ae3ef212 (このIDを非表示/違反報告)
ソル(プロフ) - 更新欄にあって発狂しました。大好きです。お話 (2020年12月20日 21時) (レス) id: 744fb08bfc (このIDを非表示/違反報告)
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