【Q|K】夫に砂糖対応されている件について【fkr】

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「一応一通りのことはしておいたけど……他にも、どうしてほしいとかある？」



膝に置いていた手に彼の手が添えられる。微妙に空いていた間隔も気付けば詰められていて、すぐ横で彼の声が聞こえてくる。
男の人にしては少し高くて、でも本当に優しくて、落ち着く声。疲れた心をいとも簡単に解してしまったその声に引き寄せられるように、私は隣に体を傾けた。

大きくて、しっかりとした肩。いつもは喋り方も、笑顔もふわふわしている彼だけど、こういうところで彼もちゃんと男の人なんだと再認識させられる。左手に添えられている彼の右手も、私より大きくて、ごつごつとしていて、男の人の手だ。



「……どうも、しなくて良いです」

「え？」

「ただ、福良さんが隣に居てくれたら、私はそれだけで十分です」



確かに彼の料理は毎日食べたいくらい美味しかったし、しなきゃいけないことが済んでいるというのは嬉しいけど、今気付いた。私は、彼とこうしてのんびりする時間が、一番好きなのだと。
添えられていた手に、自分の指を絡める。いつもなら絶対にしないこと。でも、今くらいは、素直になりたい。



「……―――愛してます、拳さん」



彼の耳許に顔を寄せて、囁く。驚いたようにこちらを見る彼を横目に、そのまま首筋に、昨日私も付けられたものと同じものをつけてやった。あんまり上手く付かなかったけど、まぁ見えるところに付けれたから良しとしよう。



「……今日は、積極的だね」

「えへへ、今日だけは私だけの福良さんですから。絶対離してあげません。トイレでも離しません」

「えぇーそれは困る！」



そう言って、ぎゅーっと彼を強く抱き締める。そうだ。ダイアナ妃はこういうことを言っていたのだ。彼の気持ちがいつか離れてしまうかもしれないと不安なら、こちらから捕まえておけば良い、と。

楽しそうに笑う彼に釣られて、私も笑う。あぁ、幸せだ。幸せすぎて逆に不安だけど、でも、もう大丈夫。








．








．








―――たとえそれが運命でも、私からは絶対、彼を手放してなんてやらないって決めたから。

たとえ月日が流れようとも→←。

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