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今日はなにか特別な日だっただろうか。ホワイトデーであることは確かだが、それ以外には特にないし、別に結婚1年記念日とかでもない。私の誕生日というわけでもないし、勿論、彼の誕生日でもない。
彼がなんでもすると決めていた理由が分からず、一人首を傾げる。そんな私を見て彼は困ったように眉を八の字にすると、徐に私の肩と膝裏に腕を回して、そのままスッとなんの躊躇いもなく立ち上がった。
人生初のお姫様抱っこをまさかこういう形で体験するとは思わず、さっきまでグルグルと考えていた疑問が全て脳の外に放り投げられる。逆に、今この現状を理解することに、脳が全ての力を使い始めた。
「ふ、ふふふふ福良さんっ？！？え、ちょ、私重いですって！！」
「そう？全然そんなことないけどなぁ」
ぎゅっと彼の首にしがみついて、なんとか落ちないように安全を確保する。彼の腕と体格からして、落とされることは多分ないとは思うが。如何せん人生初。なにがあるか分からない。
「……バレンタインのお返し」
「え……？」
「バレンタインに言ってたじゃん、ホワイトデーは俺が良いって。だから、俺がプレゼント。肩叩きでも料理でも、なんでもするよ。リビングへの移動も」
「あ、それでお姫様抱っこ……って納得すると思いますか？！？」
「あはは、まぁお姫様抱っこは俺がしたかったからだけど」
今日くらいお姫様気分味わってほしくてさ、なんて台詞と共に王子級の笑顔を向けられて、これ以上抵抗出来る女子は居るのだろうか。正直に言おう、私は無理だ。
大人しく彼にされるがままの状態で、リビングに設置されたソファーにゆっくりと降ろされる。ソファーには予め部屋着が丁寧に畳まれた状態で置かれていて、多分だがどういう展開になっても、彼はあのお姫様抱っこで私をここに運ぶつもりだったのだろう。
彼の用意の周到さに驚きつつ、彼がキッチンでなにかしている間に服を着替える。裸は一度もう見られているが、それとこれとはまた話が別だ。
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すあま(プロフ) - 「……因みに、嫌なら本気で止めないと、ほんとに食べるよ？好物を目の前に差し出されて大人しく出来るほど、俺お利口じゃないんだから」ってセリフがやばすぎる、めちゃくちゃ想像に容易い、、ほんとに言いそうで凄いですね、、想像力が (2021年9月24日 0時) (
レス) @page17 id: b33cbc8b26 (このIDを非表示/違反報告)
すあま - うわおおあ、、占いツクールでコメントするの初めてなんですが、コメント失礼します。。脳内のセリフ（？がオタクっぽくて（？）めっちゃ自分が言ってるみたいでやばいですねこれ最高ですね、（語彙力 (2021年9月23日 23時) (レス) @page3 id: b33cbc8b26 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 浴衣さん» コメントありがとうございます！ko-chanの「俺じゃ駄目？」と結婚式のお話は私の中でも結構気に入ってまして、そのように言っていただけて嬉しいです！こちらこそ暖かいコメントありがとうございました！ (2020年6月19日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
浴衣 - 何回読んでも、こうちゃんの「俺じゃダメ？」というお話のところと結婚式のお話で涙腺が決壊します。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月18日 9時) (レス) id: f3992de0f3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 。さん» 返信遅くなってしまってすみません！お褒め頂き、ありがとうございます！今順番に書きたいものを書いていっているので、そのうちまた新しいfkrさんのお話も書いていきたいと思います！コメントありがとうございました！ (2020年6月11日 17時) (レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
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