【Q|K】夫に砂糖対応されている件について【fkr】

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上体を勢い良く起こし、バクバクと煩い心臓を押さえながら、後ろを振り返る。そこには、言わずもがな一緒に住んでいる福良さんがいつもの笑顔を浮かべて立っていて、慌てて乱れた髪を手櫛で整える。

残念ながら、好きな人の前でくらい少しでも可愛らしくいたいという乙女心くらいは、私も持ち合わせている。そこ、残念そうにするんじゃない。



「……星宮さん」

「え、ちょ、福良さん、近いっす！」



急な至近距離に思わず後ろに後ずさるが、しゃがみこんだ彼に両手で頬を包み込まれたら、それ以上下がれる訳もなく。そのまま少しの間見つめあうと、徐に彼の方から触れるだけの優しいキスを落とされた。



「今日はいつも以上に疲れた顔してる。こんな遅くまで頑張ってたんだね。お疲れ様」

「っ……ふ、福良さんの方こそ、急なトラブルで、大分バタバタしてたじゃないですか。今日も朝早かったし、私なんか、全然」

「もー、こんな時まで謙遜しなくていいのに」



確かに消えた記事をもう一度書き直すのは大変な作業ではあったが、私は基本裏で動いてるだけだし、彼みたいに企画を考えたりだとかクイズを作問したりしてる方が、私のなん億倍も大変だろう。
今回のトラブルで彼は色々Twitterでの報告やら、エンジニアチームとの話し合いだとか、いつもの仕事でも大変そうなのにより仕事量が増えて、余計に忙しそうにしていたし。謙遜というか、事実だ。

それなのに私なんかと違って、疲れを全く外に出さない彼の体のメカニズムはどうなっているのだろうか。私なんて少し仕事量が増えただけでこの有り様だというのに。



「晩御飯ももう作ってるからさ、今日はゆっくりしてて。あ、それとも先にお風呂入る？ちょっと温くなってるかもだけど」

「え、そこまでして下さったんですか……？！す、すみません、何から何まで……」

「良いよ良いよ。今日は元々なんでもするって決めてたから」

「……え、どうしてですか……？」

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