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『……え、と……じゃあ、帰りますか。星宮さんも大分濡れてるし。今傘一つしかないから、一緒になるけど』
……渡せない、筈なのに。どうして俺は、また逃げようとしてしまっているのだろうか。今更、答えを聞くのが怖いと、思ってしまっているのだろうか。
自分でもなにがしたいのかさっぱりで、気持ちを落ち着かせるように彼女に背を向ける。どう、したいんだ、俺は。
『ふっ、福良さん！』
彼女に名前を呼ばれて、なるべく余裕がある風に見せたくて、意味もなく緩慢な動きで後ろを振り返る。今の俺は、ちゃんと、いつもの笑顔を浮かべられているだろうか。
『―――っ貴方のことが好きです！』
二度目の、彼女からの告白。真っ直ぐに俺を見つめる目からは、嘘を吐いているだなんて到底思えなくて。
……貴方は、こんなにも、待たせた俺を……こんなにも待たせて、何度も君の真っ直ぐな思いをうやむやにして、見て見ぬふりをしてしまっていた、俺を……まだ、好きだと言ってくれるの？
『……それだけです』
『え……？』
『忘れて、ください』
……てっきり、返事を求められるのかと思って頭を悩ませていた俺は、彼女のその言葉に呆気にとられた。目を見開いて彼女を見つめるけれど、星宮さんはただ、苦しそうに微笑むだけ。
『……無理、だよ』
一度言葉にしてしまったらもう止められなくて、驚く星宮さんに、更に言葉を続ける。
『そんなの、無理に決まってるでしょ。俺も、星宮さんのことが好きなんだから。忘れるなんて、無理に決まってる』
好きだ。星宮さんが。どんなものよりも、誰よりも、好きだ。好きなんだ。
『……好き、好きだよ……俺も、星宮さんのことが、誰よりも……好きです……』
初めて越えた、�牋貭蠅竜�離�瓩箸いΧ�界線。衝動的に離してしまった傘が地面に叩きつけられる音を背に、真っ正面から両腕で彼女を抱き締める。
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すあま(プロフ) - 「……因みに、嫌なら本気で止めないと、ほんとに食べるよ？好物を目の前に差し出されて大人しく出来るほど、俺お利口じゃないんだから」ってセリフがやばすぎる、めちゃくちゃ想像に容易い、、ほんとに言いそうで凄いですね、、想像力が (2021年9月24日 0時) (
レス) @page17 id: b33cbc8b26 (このIDを非表示/違反報告)
すあま - うわおおあ、、占いツクールでコメントするの初めてなんですが、コメント失礼します。。脳内のセリフ（？がオタクっぽくて（？）めっちゃ自分が言ってるみたいでやばいですねこれ最高ですね、（語彙力 (2021年9月23日 23時) (レス) @page3 id: b33cbc8b26 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 浴衣さん» コメントありがとうございます！ko-chanの「俺じゃ駄目？」と結婚式のお話は私の中でも結構気に入ってまして、そのように言っていただけて嬉しいです！こちらこそ暖かいコメントありがとうございました！ (2020年6月19日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
浴衣 - 何回読んでも、こうちゃんの「俺じゃダメ？」というお話のところと結婚式のお話で涙腺が決壊します。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月18日 9時) (レス) id: f3992de0f3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 。さん» 返信遅くなってしまってすみません！お褒め頂き、ありがとうございます！今順番に書きたいものを書いていっているので、そのうちまた新しいfkrさんのお話も書いていきたいと思います！コメントありがとうございました！ (2020年6月11日 17時) (レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
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