。 ページ3
何度でも言うが、お風呂上がりの福良さんはまさに水も滴る良い男だ。特に、首筋。その状態の彼に超ストレートに褒められるとか、ヤバイの極みでしかない。前まで面と向かって褒められるなんて無かったから、余計。
そんな変態チックな事を今日も考えながら、彼の横を通る。と、丁度そのタイミングで、突然後ろから彼に名前を呼ばれたので、私は徐に振り返った。
すると、いつの間にか、私の後ろに立っていた福良さん。じっと見つめてくる彼に首を傾げると、彼は私の後頭部に手を添えて、リップ音もなにもない、ただ触れるだけのようなキスを額に落とした。
「仕事もほどほどにね」
ふっ、と微笑んで、硬直する私を置いてダイニングテーブルに向かう彼の背を、ただ呆然と眺める。そう、これも。てかメインさっきのこれ。今。ナウ。両思いだったということが発覚してから、彼の不意打ちが凄いのだ。しかも、糖度がえぐい。
今まで塩対応だった福良さんは全て幻覚だったのではないだろうか、というレベルで、最近の福良さんは砂糖対応だ。甘い。いや、幸せだし、嬉しいのだが。あの、あれだ。
心臓に悪い。
「……破壊力やべぇ……」
ブクブクブク、と口許までお湯に浸かって、脳裏から離れない彼の笑顔を思い出す。片想いの方が幸せだと言うが、私は絶対今の方が幸せだ。断言する。幸せ。超幸せ。いつ命日でも可笑しくないくらい幸せ。
特に私の場合は絶対不可能だと思っていた状況からの、この生活だから、よりダイレクトに心に沁みる。
お風呂の温かさと、ここ最近の幸せな日々の余韻に十分に浸って、頭や体を洗って、お風呂を出る。体や髪を拭いて、服を着て、髪を乾かして、いつもの流れでマスクを掴む。ふと、そこで気づいた。
……あれ、これもそろそろしなくても良いのでは？実際、彼にはもう何度かスッピンを見られた。あの風邪の時とか。つい今日まで癖でつけてしまっていたが、つける必要性が無くなったような気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すあま(プロフ) - 「……因みに、嫌なら本気で止めないと、ほんとに食べるよ？好物を目の前に差し出されて大人しく出来るほど、俺お利口じゃないんだから」ってセリフがやばすぎる、めちゃくちゃ想像に容易い、、ほんとに言いそうで凄いですね、、想像力が (2021年9月24日 0時) (
レス) @page17 id: b33cbc8b26 (このIDを非表示/違反報告)
すあま - うわおおあ、、占いツクールでコメントするの初めてなんですが、コメント失礼します。。脳内のセリフ（？がオタクっぽくて（？）めっちゃ自分が言ってるみたいでやばいですねこれ最高ですね、（語彙力 (2021年9月23日 23時) (レス) @page3 id: b33cbc8b26 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 浴衣さん» コメントありがとうございます！ko-chanの「俺じゃ駄目？」と結婚式のお話は私の中でも結構気に入ってまして、そのように言っていただけて嬉しいです！こちらこそ暖かいコメントありがとうございました！ (2020年6月19日 19時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
浴衣 - 何回読んでも、こうちゃんの「俺じゃダメ？」というお話のところと結婚式のお話で涙腺が決壊します。素敵なお話をありがとうございます (2020年6月18日 9時) (レス) id: f3992de0f3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 。さん» 返信遅くなってしまってすみません！お褒め頂き、ありがとうございます！今順番に書きたいものを書いていっているので、そのうちまた新しいfkrさんのお話も書いていきたいと思います！コメントありがとうございました！ (2020年6月11日 17時) (レス) id: a14ef8aee6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
