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3歳の頃、桐生家の分家の家系にあたる
“山本家”にやってきた私。
中学までは有名私立だったけど
今では普通の公立高校。
“桐生”(人1)は
外では“山本”(人1)と名乗ることになっていた。
勝「…あれ、(人1)がいる」
眠そうに欠伸をしながら
勝利が私の隣に腰かけた。
あ「…なによ、勝利。私がいちゃ悪い?」
勝「そんなこと言ってない。昨日休んだから、今日も休むのかなって。風邪治ったの?」
あ「風邪?」
勝「昨日の朝、迎えに行ったら『風邪引いたから休ませる』って、おばさんが」
そりゃ…ね。
“お見合い兼結納”だなんて
言えるわけないもん。
クミおばさん、気を遣ってくれたんだ。
あ「あー、うん。もう治った」
勝「ふーん、良かったな。…てか、治ったなら先に行くなよ。一緒に行くから連絡しろ」
そう言って不機嫌そうに私を見た勝利。
あ「うん…ごめんね、勝利」
勝「別に、元気になったならいいけどさ」
それだけ言うと
また来たばかりだというのに
勝利は机に突っ伏した。
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作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年6月23日 0時