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私が毎回大荷物を抱えてこなくてもいいように
空いてる部屋を私のものにしてくれた風磨。
その日は、いろんなお店をまわって
必要なものを買い揃えた。
あ「ねぇ、こんなに高いものいいの？」
って、私が何度も聞くものだから
風「やっぱり、お嬢様って感じがしねぇな(笑)」
なんて、思い切り笑われたっけ。
夜になり、案の定DVDを広げ始める私に
風磨はなにも言わなかった。
あ「寝ないの？」
風「んー」
あ「明日、月曜日だよ？講義あるんでしょ？」
そんな問いかけにも
ハッキリした答えは返って来なくて…
あ「なにこれ。数字ばっかり…」
風磨の手元を見て呟いた私に
彼は視線を紙に向けたまま
やっと口を開いてくれた。
風「…株価変動の書類。将来のために、今から少しずつだけど…会社の株は俺が動かしてる」
あ「へぇー。数字ばっかりで、目が痛くなっちゃうね」
物珍しそうに、その数字たちを見つめる私の髪に
風磨はそっと触れてきた。
風「…お前って、マジで変なヤツ」
ふっと微笑んだ彼に
心臓がどきんと音を立てて、体中を熱が駆け巡る。
だって、風磨のその目は
今までに見たことがないぐらい優しさで溢れてて
髪に触れる手は、すごく柔らかくて…
錯覚を起こさせるんだ。
それは、まるで恋人同士が共有するような…
そんな温かな時間だったから。
風「…高校生のガキは、明日も朝早くから学校なんだろ？もう寝とけよ」
少しだけ意地悪そうな笑みを浮かべた風磨は
ぽんぽんと私の頭を軽く叩くと
ソファーから立ち上がった。
それで…雰囲気に酔ってた私は、不覚にも…
あ「…うん」
って、素直に返事してしまったんだ。
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作者名：北斗七星 | 作成日時：2015年6月23日 0時
