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………まるで、それを分かっていたかのように、“彼”はそこにいた。
私がタクシーから降りた正門のところに背を預けて、いつものように微笑んでいた。
……私の嫌いな笑みを、浮かべていた。
あ「…風さんに会わせて」
そう呟いた私に、健人は口角を上げることで応えてみせたの。
………風磨が、“戻る”というのなら。
私は私の好きにやる。
たとえ、あの日に戻ることになったって、それで全然かまわない。
車の助手席に乗せられて、流れる街並みをただぼんやりと眺めていた。
車を走らせる健人が、一体どこに向かおうとしてるのかなんて知らない。
聞きもしないし、健人も言わない。
ただ、車内に流れる洋楽を聞いているだけだ。
さっきまで荒れていた心の中が、今は驚くほどに静か。
……怖いぐらいに。
健「………(人1)ちゃんはさ」
ふいに口を開いた健人は、前を見つめたまま口元に笑みを浮かべている。
私は横目で健人を見るけど、その瞳がこちらを向くことはなかった。
健「……“風さん”のこと、どこまで覚えてるの?」
……なにを聞きたいんだろうか?
そんなことを思ったけど、別にどうだっていい。
あ「…存在と、約束」
なんの脈絡もない返答なのに、健人は「そうなんだ」と声だけで笑う。
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北斗七星 - みるくてぃーさん» 大好きだなんて…!すごく嬉しいです♪( ´▽`)ありがとうございます♪もうすぐ移行しますので、これからもよろしくお願いします☆ (2015年10月8日 2時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - 風磨くん、めっちゃカッコいいです(●´ー`●) 北斗七星さんの書く文章、大好きです(*´ー`*) これからも頑張ってください!応援してます( ´ ▽ ` )ノ (2015年10月7日 7時) (レス) id: 93cfc168a2 (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - あんずさん» ありがとうございます♪切ない展開が多いお話ですが…これからも頑張るので、よろしくお願いします( ´ ▽ ` )ノ (2015年10月7日 5時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - 玉森love♪さん» 応援ありがとうございます♪これからも頑張るので、よろしくお願いします(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年10月7日 5時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
北斗七星 - ききらら☆さん» 風磨くんside始まりました!丁寧に描けるよう頑張ります(o^^o) (2015年10月7日 5時) (レス) id: 5808d874ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:北斗七星 | 作成日時:2015年9月21日 0時