【続】愛の香り。Fuma.K -3-

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風磨side





一緒にいて、見飽きることがないぐらい。



彼女は表情をコロコロと変える。




楽しそうに笑っていたと思えば、俺のひとことで拗ねてみたり。



拗ねていると思えば、俺の行動ひとつで照れてみたり。



照れていると思えば、ふんわり笑って無意識に俺を誘ってみたり。






………重症だと思う。



手放せるわけがない。


こんなにも溺れているのに。




(人1)はよく「私の世界は風磨中心にまわってるみたいな気がしてなんか嫌だ」と不満そうに言うけど。



………俺は、そのセリフをそっくりそのまま返してやりたい。




だって少なくとも俺の世界は、(人1)中心にまわっている。






……重症にもほどがある。









あ「なんで！？」





………カナダ行きのことを話したのは、結局出発の前夜だった。




でも、(人1)の反応は俺が予想していたものとは全然違っていて。



少し面食らった。





風「……どうした？」


あ「だって…っ、カナダって…！！」





必死になにかを伝えようとしているのに、悔しそうに黙ってしまう(人1)。






…なんだ、この反応？



カナダになんかあるのか………って、清香か。



こいつ、まだ俺と清香のこと気にしてんのか。





風「…心配すんな。

親父の仕事にちょっと着いて行くだけだから」





そう言っても、(人1)は頷くだけ。






………あーあ。



こんな反応されたら、からかえないじゃねぇか。





………とは思いつつも、





風「…ヤキモチ焼かせるつもりなんてなかったけど、案外悪くないもんだな」





口から出るのは、からかいの言葉。




素直に頬を染める(人1)に、理性がぷつんと音を立てる。






衝動的に、その柔らかな唇に口づける。




色っぽく吐息を漏らされたら、もう理性の“り”の字も吹っ飛んで。





涙で潤んだその瞳に、俺だけを映してやりたくなる。







………ほんと、ヤバいぐらいに重症だ。





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