【続】愛の香り。Fuma.K -3-

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健「………なんとなく、風磨の気持ち、分かったかもな」




健人はそう言って、立ち上がった。




健「ほら、(人1)ちゃん。

いつまでそうしてんの。

……帰るよ」




そう言って、笑顔を向けてくる。




あ「……………っっ」




ごくりと息を飲む私に、健人は訝しげに表情を歪めた。




健「……なに、その反応」


あ「だって、健人がちゃんと笑ったの初めて見た！」


健「………は？」


あ「今までは、ムカつく顔でしか笑わなかったもん！」


健「……(人1)ちゃん、歩いて帰る？」






………うん、でもね。



なんか、スッキリした顔してるよ。





やっぱり、私と健人は似ていたのかもしれない。




自分のしたことに絶望して、どうしようもなくって。



逃げてしまいたくなって。



それでも、ひとりでは怖くて。



だから、誰かを引き連れて。




………それが、私にとっては健人で。



健人にとっては私だっただけ。




それで、ほんの少しのきっかけで。



一言二言の言葉で。



…少しだけ、救われた気になる。



救われた気がする。




………立ち向かってみようって、そんな気になる。






あ「…似た者同士、だね」




小さくそう言うと、健人はふっと笑った。







………頑張ろうと思う。



ちゃんと、風磨に聞いてみようと思う。



だってそうしなきゃ、前になんて進めない。





健「……ほら、早く立って」




そう言って差し出してくれた健人の手に、掴まろうとした瞬間だった。









「……(人1)！！！」





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