【続】愛の香り。Fuma.K -3-

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健人side





………1年が、過ぎる。





大学に入って二度目の春が来る頃、清香と風磨は付き合い始めた。




周りのみんなが認める美男美女。



……悲しかったけど。


ツラかったけど。



清香が幸せそうだったから。


風磨も、清香のことをちゃんと想ってくれてるって知ってたから。





…どうして、いとこだったんだろう。



そうして俺は、清香といとこなんだろう。




でも、もしも俺と清香がいとことして生まれてこなくても、清香は風磨を好きになったんだろう。




……俺の片想いは、どっちにしろ崩れ去る運命にあったんだ。





そう思って、ふたりを祝福した。






でも、ふたりを見ているのはツラかったから。



俺は逃げるように、カナダへの留学を決めたんだ。




いや…逃げるように、じゃなくて。



俺は逃げた。





幸せそうなふたりを、隣で見ているなんて出来ない。



出来るはずがない。








そうして春が終わり、夏が過ぎ、秋が来る。



……10月。



運命の一報が、俺の元に届く。






清香が風磨と別れた。


菊池と、あの桐生が手を結んだ。


風磨はその橋渡し役として、桐生の娘と婚約。



……反抗していた風磨は、当時経営難に陥っていた清香の父の会社を菊池グループから切り離さないことを条件に、渋々婚約を承諾する。


………そして、清香もそれに応じた。







日本から遠く離れたカナダで、清香を想った。




彼女は今、どんな気持ちでいるんだろう。



どんなに寂しく、悲しく思っていることだろう。




でも俺には、どうしてやることも出来ない。





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