愛の香り。Fuma.K -4- (ページ10)

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＿＿＿プルルルルッ…

…突然、無機質な音がそれを遮った。

風磨が小さく舌打ちして、私から離れて携帯をとる。

画面を見るなり、眉間にしわを寄せ

「…わりぃ。菊池から」

そう言ってリビングを出ていった。

まだ頭がふわふわして、幸せな気分に浸っていた私の頭に急に現実が入ってきた。

…私、なにした！？

ていうか、なにしてた！？

体中の熱が顔に集まった。

あ「…あーもう…。恥ずかしすぎて死んじゃう…」

両手を頬に当てると、燃えるんじゃないかと思うぐらい熱い。

バタバタと手で顔をあおぐ。

そそくさと乱れた服を直し、テレビをつけた。

…甘い夢が、覚めてしまったことも知らずに。

そこに絶望が待ち受けてるとも知らずに。

あれから毎日のように、風磨の携帯には

菊池からの連絡が入ってきていた。

その度に風磨は顔をしかめ、ため息をついて場所を変えた。

…まるで、私に聞かれたくないとでもいうかのように。

風磨は「気にするな」って笑ってみせたけど

時折、風磨が怒鳴るのが聞こえてきて

気にするなっていう方が無理。

世間はゴールデンウィークに入り

テレビをつければ帰省ラッシュだの空港に人の渦だのと騒いでいた。

あ「そういえば…あなたって、なにか欲しいものないの？」

風「なんだよ、急に」

もう５月。

風磨の誕生日からは約２ヶ月が経ってるんだけど…

まだプレゼント渡してないんだよね。

風「そっか。まだプレゼントもらってないんだった」

あ「んー、あの時は私がテスト中だったし。それに…」

風「なに？」

あ「なに欲しいか聞いても、『別に』しか言ってくれなかったじゃない！」

風「え、俺のせいですか？(笑)」

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