愛の香り。Fuma.K -4- (ページ24)

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…すべては、私のワガママで始まった。

私が、風磨と清香さんを引き裂いた。

全部全部、私がいなければ上手くいっていた。

…私が、いなくなれば…

まだ何もかも修復可能だろうか…？

ふらりと足を前に出した。

机の上には、目当てのものが置かれている。

私は、静かにそれを手に取った。

…ごめんなさい。

私は、もう何も望まないから。

“居場所”も“帰る場所”も“泣き場所”も

全部、風磨がくれたものだった。

でも、それはもうなくしてしまったから。

ゆっくりと息を吸い込む。

息を止めたまま、まだ頬を流れる涙を拭った。

でも、それは止まることなく…ただただ流れていくの。

…悲しみも苦しさも、一緒に流れてしまえばいいのに。

震える手を何とか動かす。

…本当はそうしたくないことを体は分かってるのか

なかなか思うように動いてくれない。

……でも、逃げるわけにはいかないから。

あ「………(人1)です。父は…？」

手にした携帯で、桐生の本家の番号にかけた。

声が震えているのが、自分でもよく分かる。

あ「…そうですか。大切な話があるから、今からそちらへ向かうと伝えて下さい」

どうやら仕事中らしく、電話には出てもらえなかった。

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